海外をテコにうまく上昇気流に乗っただけ?

Airbnbは全世界に約500万の房源(ホスト)を持っている。これら世界のホストたちは、各地で中国人旅行客を歓迎した。この体験は、自然に中国人をAirbnbに引き寄せた。国内でも利用してみたいというゲストを増やし、ホスト増加を促した。海外ホスト数は、中国発祥の同業「途家」に対する大きなアドバンテージである。

2018年の夏季には“業務総量”が50%増加、宿泊単価も10%増加した。国内宿泊者数、200%増、国内ホスト数250%増、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア等からの中国旅行客80%増、などの野心的目標を掲げた。

ブレチャジックは、ここ2年半、中国事業は“長足の発展”を遂げた、と胸を張った。しかし実態は、海外をテコにうまく上昇気流に乗ったというのが正しく、策定中の中国ローカライズ戦略の効果は、まだ顕在化したわけではない。ブランドが勝手に成熟を始めた。予約の60%以上を占める80后(1980年代生まれ)90后(1990年代生まれ)の若い世代にじわじわと浸透していったのだ。

ブレチャジックは、これまでの成果(民泊文化の浸透)は目標の半分に過ぎない。真に顧客の共感を得られるパートナーとなることが重要だという。僥倖とはいえ、中国市場でのブランド確立には、自信を深めているようだ。

Airbnbの浸透は、若い世代を中心に中国人が世界標準に近付いていく文化現象の一つとして、捉えてよいだろう。これは中国と国際社会の縮図ともいえる。一帯一路構想やアフリカ重視は、あくまで経済的進出に限られている。文化的にはむしろ押し込まれているのかもしれない。

文・高野悠介(中国貿易コンサルタント)/ZUU online

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