「掘り出し物件」を見つけるなら地域のタウン情報誌も

インターネットの普及によって不動産投資物件検索サイトは既にかなりの物件を網羅しており、競売物件検索サイトなどを併用して使えば、検討対象となる不動産投資物件の候補を簡単に見つけることができる。一方で不動産投資物件の検索サイトなどは多くの不動産投資家などが常に閲覧しており、全ての人が条件の良い物件を購入できるとは限らない。

そこで軽視してはいけない存在として挙げられるのが、地域のタウン情報紙やタウン情報誌の発行会社が運営しているウェブメディアだ。地方においては現在でもインターネットにあまり縁がない不動産屋もある。そういった不動産屋では日頃から付き合いのあるタウン誌に物件の掲載を一括してお願いしているケースも多い。こうした物件は不動産投資物件の情報サイトには掲載されず、タウン誌だけに載っているということも多い。

タウン情報誌は配布エリアがそれぞれ異なるため、自分が住んでいる地域以外の情報誌はなかなか手に入れにくい。決して不動産投資に適した「掘り出し物」の物件を見つけることができる可能性は低いが、定期的に読んでみると思わぬ好条件の物件に出合えることもある。また、街中の住宅街などを歩いてみるというのもアナログだが掘り出し物に出合えるきっかけになる。

「表面利回り」よりも現実的な「手取り利回り」を重視

不動産投資物件の検索サイトや競売物件検索サイトなどで候補となる不動産物件を探す際、「利回り」が情報として添えられていることが多い。利回りには「表面利回り」と「手取り利回り(実質利回りとも呼ぶ)」の2種類がある。不動産投資物件を探す際に最も重視しなければいけないのは手取り利回りだ。運営コストなどが考慮されており、より現実的な収益を計算することができるからだ。

表面利回りは「年間予定賃料収入」を「物件購入価格」で割った数字で表されるが、手取り手回りを計算する場合は「年間手取り収入」を「総投資額」で割って計算する。両方ともパーセントで表されるが、この2つの利回りの数字は大きく差が出ることも珍しくない。

年間手取り収入を計算する場合には、物件を購入するときに支出した不動産仲介手数料や登記費用、不動産所得税などのほか、運営を続けていく際に必要な管理費や修繕積立金、賃貸管理代行手数料、借入期間や金利も考慮した上でのローンの返済費用なども差し引いて計算される。細かな支出金額まで見落とさずに計算されていくことで、実際のランニングコストを差し引いた手取り額が算出できるわけだ。

「利回り」と書かれていても、表面利回りなどの手取り利回りなのかをきちんと確認しなければ、実際に保有した不動産投資物件からほとんど利益が出ず、逆に赤字に陥ってしまうリストも大きい。

周辺環境の将来的な変化を必ず把握していくこと

利回りを考慮した上でいくつかの不動産投資物件を候補に挙げていくことになるが、当然、立地や周辺環境、間取りなどの情報も判断材料としては非常に大切だ。最寄り駅から徒歩で何分くらい掛かるのかは当然重要であり、現在の周辺環境のほか将来的に周辺環境が変わる可能性があるのかも考慮に入れるべきだ。

例えば、近くにあった大学のキャンパスが移転予定だったり、最寄り駅が改修工事に伴って移転予定だったり、将来的な変化の可能性を常に念頭に置いてリサーチを行うことが肝心だ。周辺環境の変化は将来的な好要素になる可能性もある。大型スーパーや商業施設がオープンしたり、多くの雇用を伴う工場などが新しく建設されたりすれば、物件周辺で住まいを探す人は当然増えてくる。

そういった周辺環境の変化により、住まいを探している人たちの属性も変わってくる。若者が増えるなら1Rマンションや1LDKマンションなどの需要が高まり、ファミリー向けでは1Rマンションや1LDKマンションよりも広めの物件が好まれていく可能性が高い。