結婚前転職のデメリット

逆に、結婚するからといって、安易な転職は避けたほうが良いケースには、どういうものがあるでしょうか。

大手転職支援サービスのDODAが2015年に開催した「DODA女性のための転職フェア」の講演では、転職を考える女性が視野に入れておきたいこと、結婚・出産などを含めた転職のベストタイミングなどについて語られました。

この講演で講師を務めたDODAキャリアアドバイザー ゼネラルマネジャーの川嶋由美子さんによると、産休・育休が必要になる可能性を考慮して転職を考えたとき、メリットよりもデメリットのほうが大きくなる可能性もあるといいます。

結婚前後の転職では、多くがまだ子どものいない時点での転職活動になります。入社後は基本的にフルタイムで働くことができ、ある程度の残業も可能であることから、志望先の選択肢を広く考えることができるでしょう。

注意したいのは、転職してから一定期間、出産や子育てがしにくくなる可能性もあるということです。企業によっては、入社後1年未満だと育児休業が取れないということも。また、転職後は新しい環境で仕事に慣れることが最優先になりがちなうえに、転職後1~2年は実績を積まないと、人間関係の面でも産休・育休が取りにくいという一面も考えられます。

出産のライフプランや待遇面など希望に合わない場合は、いったん思いとどまって現在の会社に在籍しつつ、様子を見ていくことを視野に入れてもよいかもしれませんね。

正社員ではなくなるということは

企業によって差はあるものの、一般的に、正社員に対して契約社員・パート社員は、給与・業績賞与の有無、退職金のダウンやカット、昇進・昇給の有無、福利厚生や各種手当の違いなど、さまざまな待遇に差があります。もちろん、キャリアの観点で考えても、任される業務範囲が狭くなるなど、やりがいの点においても大きく変わってくることが考えられます。

自分自身の優先順位を明確に付けたうえで、収入がダウンしてもライフワークバランス重視で生活していきたいのか、よく考えて選択していくことが大切なのではないでしょうか。

どんな選択にもメリット・デメリットがある

また、結婚後の働き方について、自分一人だけで決めてしまうのも考えものです。結婚して家族になる相手の考え方も聞き、話し合い、自分のキャリアプランやライフプランについて方向性をよくまとめておくことが大切でしょう。

優先順位をどのように付けていくかによって、転職するのかしないのか、そして、転職したい場合は候補の企業、さらに転職するタイミングなども変わってきます。当然のことながら、それぞれの選択にはメリットもあればデメリットもあるのです。

一度築いたキャリアを手放してしまうと、もう一度同じステージに立とうと願っても、たやすいことではないでしょう。さまざまな観点からよく見定めて、後悔しない選択をしていきたいものですね。

文・ナカセコ エミコ((株)FILAGE(フィラージュ)代表)/DAILY ANDS

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