セイノーホールディングス  <9076> 田口一族:530億円

岐阜県大垣市に本社を置くセイノーホールディングス <9076> は、カンガルー便の愛称で親しまれ、トラック輸送の業界最大手だ。1930年2月に、田口利八が岐阜県益田郡萩原町において田口自動車を創業したことが沿革の始まりで、設立は1946年11月である。大株主一覧を見ると、公益財団法人田口福寿会が2,481万株(11.9%)、アドニス株式会社が329万株(1.5%)を保有している。財団法人を広義の「創業家一族の資産」と考え、アドニスを田口家の資産管理会社と仮定すれば、合計2,810万株であり、同社の3月23日(金)終値が1,892円なので、約530億円が時価となる。

セコム <9735> 飯田一族:620億円

警備業国内首位で1962年7月に設立されたのがセコム <9735> だ。創業者は現最高顧問の飯田亮で、大株主一覧を見ると、424万株(1.8%)を保有している。また、公益財団法人セコム科学振興財団も402万株(1.7%)を保有しており、財団法人を広義の「創業家一族の資産」と考えれば合計826万株、同社の3月23日(金)終値が7,488円なので、約620億円が時価となる。

創業家一族の資産を確認するときの注意点

以上、設立から50年以上経っている名門上場企業7社の創業家一族の資産額を見てきた。創業家一族の資産を確認するときは、以下のような注意点が挙げられる。

(1)名前が表に出ていない可能性がある

大株主一覧には、創業家一族の氏名ではなく、彼らの代理として信託銀行や金融機関、プライベートバンクの名前が記載されることもある。実際、本稿の集計時にも以下のような名義が見受けられた。

  • 日本トラスティ信託口
  • 日本マスター信託口
  • ステートストリートBウエストトリーティ505234
  • 資産管理信信託口(みずほ銀)
  • ステートストリートロンドン・SSBTCボストンUK
  • ノーザン・トラスト(AVFC)シルチェスターVET なかには機関投資家の代理であるケースもあるだろうが、創業家一族の代理である可能性も否定できない。

    (2)資産管理会社の存在

    資産管理会社とは、富裕層が税制対策のために立ち上げる会社の総称だ。特に、上場企業の創業家クラスになれば、その多くが資産管理会社を設立していることだろう。資産管理会社が自社株を保有している場合、大株主一覧には当然、資産管理会社の名前が載ることになる。創業家一族にゆかりのある会社名であれば、識別するのはさほど難しいことではないが、一見、相関性を見いだせない会社名の場合は、見落としてしまう可能性がある。

    (3)財団法人の存在

    上場企業オーナーのような超富裕層のなかには、財団法人を設立して、資産の一部を移している場合もある。一部の識者によると、財団法人は「ミニチュア・タックスヘイブン」としての側面もあるという。本稿では、財団法人を広義の「創業家一族の資産」として資産額を計算しているが、詳細な税制については、税理士などの専門家に確認して頂きたい。

    文・ZUU online編集部/ZUU online

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