さまざまな投資の中でも、積立タイプの非課税投資制度「つみたてNISA」が人気を集めています。金融庁が実施した「NISA口座の利用状況調査(2020年6月末時点)」では、つみたてNISAの口座数が前回(同年3月末時点)から11%上昇したことがわかりました。この記事では、つみたてNISAとはなにか、つみたてNISAを始める基本のステップとファンドの選び方について解説します。
つみたてNISAとは
つみたてNISAは、2018年1月からスタートした個人投資家のための非課税制度のことです。
一般的に、投資で得られる利益には約20%の税金がかかりますが、このつみたてNISAを利用することで毎年40万円までを上限に非課税で運用することが可能です。非課税期間は20年なので、非課税投資枠は最大800万円(年40万円×20年=800万円)となります。
注目したいのは、投資の対象となる商品です。初心者の人が投資を始めるときは「どの商品を選べばいいのかわからない」といった悩みを持つ人も多いでしょう。つみたてNISAでは、投資信託の中でも長期の積立や分散投資に適した商品に限られているので、初心者の人も比較的始めやすいと言われています。
では実際につみたてNISAを始めるとき、どのようなステップを踏めばいいのでしょうか?ひとつひとつチェックしていきましょう。
ステップ1. まずは金融機関を選ぼう
つみたてNISAは、銀行や証券会社を中心に多くの金融機関で取り扱われています。まずは、自分にあった金融機関を探すところから始めましょう。
金融機関を比較したり、細かく調べたりするのが面倒という人は、普段利用している銀行で始めてもいいでしょう。ネットで手軽に取引したいという人も「ネット銀行」や「ネット証券」に限らず、普段利用している銀行のインターネットバンキングなどを利用すれば、スマホやパソコンから簡単に手続きや取引ができますよ。
金融機関によって取り扱い商品が異なる
つみたてNISAで取り扱っている投資信託は、金融機関によって種類や数が大きく異なります。
種類が多いと悩んで決められないという人は「商品が厳選されている銀行」を、選択肢はできるだけ多いほうがいいという人は「幅広い商品を扱うネット証券」を検討してみるといいでしょう。
ステップ2. 口座を開設しよう
金融機関が決まったら、口座を開設しましょう。つみたてNISAを始める場合、取引用の投資信託口座(証券総合取引口座)の開設が必要となり、その上でつみたてNISAの口座を開設します。
取引用の口座には3種類がある
なお、取引用の口座には大きく「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」と「一般口座」の3タイプがあります。初心者の場合は、特定口座(源泉徴収あり)を選ぶといいでしょう。
【特定口座】
投資信託による損益を金融機関が計算し、年間取引報告書なども作成してくれます。
源泉徴収ありの特定口座を選択すると、所得税や住民税に関する手続きも金融機関が行ってくれるため、口座名義人は確定申告を行う必要がありません。一方、源泉徴収なしを選択した場合は、金融機関が用意してくれた書類に基づいて確定申告を行う必要があります。
【一般口座】
口座名義人がすべて管理する口座であり、年間の譲渡損益などはすべて自分で計算を行い、確定申告の際も必要書類を揃えて申告しなければなりません。
いずれも口座の開設にかかる日数は金融機関によって異なりますが、インターネット上の手続きであれば最短2日で開設できるケースもあります。
ステップ3. 投資信託の商品を選ぼう
金融機関を決めて口座を開設したら、いよいよ投資信託(ファンド)を選びましょう。
前述の通り、つみたてNISAの対象となる商品は一定の基準で選ばれた投資信託(ファンド)のみです。その中にもさまざまな種類があり、大別すると次の2種に分けることができます。
株式100%型
文字通り、投資家から集められたお金を100%株(株式)に投資しているファンドのことです。このタイプのファンドでは、どの国の株式に投資するかがポイントです。一般的には、次の順でリスクが低いと言われています。
国内株式<外国株式(先進国)<外国株式(新興国)
ただし、もう一方のバランス型と比べると全体的にリスクが高いので注意が必要です。
バランス型(複合資産型)
バランス型は各国の株や債券、不動産投資信託といった幅広い資産に投資しているファンドです。このタイプに投資することで、世界中の資産に幅広く分散投資できることが魅力です。
バランス型で投資する債券は、株(株式)に比べてリスクが低いことなどもあり、バランス型を選ぶことはリスクを抑え安定した運用につながります。
ファンドは上記の2タイプからさらに細かく分類され、それぞれ特徴が異なります。自分が許容できるリスクや投資したい分野(商品)を検討して選びましょう。
なお、つみたてNISAが対象としている投資信託をはじめとした投資には、いずれも元本割れのリスクが伴います。金融商品の仕組みやファンドの特徴を理解して、余裕資金の中で取り組むことが重要です。
気になるファンドがあるかチェックしてみよう!
つみたてNISAを活用して、投資信託(ファンド)を購入するまでのポイントについて触れてきました。購入時には目論見書(もくろみしょ)を確認したり、積立額を設定したりと細かいステップが続きますが、金融機関の取引ツールにそってチェックしていくといいでしょう。
利用者が増えていることから「つみたてNISA」に関する情報は手軽にインターネットで調べることができますが、信頼できる金融機関を利用することも大切です。まずは普段利用している銀行などで、気になるファンドがあるかチェックしてみるといいでしょう。
提供・UpU
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