源泉は顧客重視の店作り

パート・アルバイトの比率が高ければ、人件費が抑制され、利益増へと作用する。しかし、厚生労働省の「平成 28 年パートタイム労働者総合実態調査の概況」の「産業・事業所規模、就業形態別労働者割合」によると、「正社員以外の労働者」の割合が最も高い業種は「宿泊業、飲食サービス業」の68.7%だが、スーパーやコンビニエンスストア(CVS)が属する「卸売業、小売業」も48.0%と2番目に高い。

スーパーやCVSはパート・アルバイトをはじめとする非正規の働き手に依存することで成立してきたと言える。しかし、アルバイトの重要な供給源である高校生や大学生の人数が少子化で減少している。18歳人口は1992年の205万人をピークに、2014年には118万人にまで減った。正社員を手厚く採用してきたオオゼキには先見の明があったと言えそうだ。

オオゼキは2010年1月5日にMBOによって東証2部の上場を廃止した。「お客様第一主義」を徹底し、「個店主義」や「地域密着主義」によって厳しい事業環境下で勝ち抜くことを目指し、競争力を持った地域に貢献できる企業へと変革させるため、経営資源(ヒト、モノ、カネ)を再配分し、短期的な業績に左右されることなく経営改革を実行する必要があるとして、株主に経営改革に伴い発生するリスクの負担が及ばぬよう上場廃止を目指すことを理由として掲げた。

オオゼキの強みの源泉は顧客重視の店作りとそれを支える正社員比率の高さだ。外部株主にリスクを負担させないために選択した非上場会社化によって、正社員の採用を大胆に進めることができる強みを手にしたと評価できるのではないだろうか。

文・大塚 良治/ZUU online

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