オリジナルスイーツはPB商品の一貫 

コンビニ各社は、なぜこのようなオリジナルスイーツに力を入れるのでしょうか。実はコンビニスイーツの多くは、いわゆるメーカーが作ったナショナルブランド商品(NB)ではなく、自社オリジナルのプライベートブランド(PB)商品なのです。

もちろん、実際に製造しているのは大手メーカーなのですが、コンビニが企画して大量に仕入れることで需要の喚起が見込め、それに伴って粗利率は7−8%もNB商品より高くなるといいます。コンビニ各社はPB比率を上げる一環として、自社オリジナルのスイーツ開発に力を入れているのです。

例えば、セブンは2012年にチルド売り場を拡大し、PBブランド「セブンプレミアム」を大量投入しました。セブンプレミアムは、コンビニがもともと扱っていた商品でなく、社会構造の変化に伴って拡大している弁当や総菜などのデイリー商品、いわゆる「中食」の市場を狙ったものです。

セブンプレミアムの成功で、セブンは中食市場における売り上げシェアを2009年2月期の9.2%から2016年2月期には13.3%に上げました。2012年3月期に5000億円程度だったセブンプレミアムの売り上げは、4年後の2016年2月期には1兆円を突破しています。この売上増で、粗利も2014年度は30.7%、2015年度31.4%、2016年度31.6%と改善し、2017年度は32.1%まで上昇する見込みです。 

コーヒーやおでんなどのカウンター商品も粗利改善に寄与 

PB商品による粗利改善の流れを、さらに加速するために力を入れているのが、コーヒーやドーナッツ、おでん、肉まんなどのカウンター商品です。 

セブンの場合、2016年の平均日販(店舗1日当たりの売上高)を10年前と比較すると、冷凍商品は5.7倍、カウンター商品は3.6倍、弁当・おにぎり・サンドイッチ・お総菜などのデイリー商品は16%伸びました。客層も女性や高齢者が増えています。コンビニは時代に合わせて、どんどん進化しているのです。

セブンは、このデフレによる消費不況のなか、既存店売り上げが55カ月連続で前年同月を上回っています。他社も追撃してはいますが、実はセブンの市場シェアは、10年前の34.0%から2017年3月期には42.7%まで上げているのです。

今年のスイーツ勝者がどのコンビニになるのかは、まだ分かりません。しかし、業界再編が進むコンビニ業界で、セブンイレブンが一人勝ちの構図になっていることは間違いないでしょう。

文・DAILY ANDS編集部/DAILY ANDS

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