日本の弱点「信頼」「寛容」は世界共通?

日本は3ランクダウンで54位。総合スコアも5ポイント減って5915ポイントに。2017年と同じく、「所得(国民ひとり当たりのGDP)」「社会的支援」「健康寿命」では平均あるいは他国より高評価を受けているが、「信頼(腐敗への認識)」「寛容」の低さが原因で順位を下げている。

評価には過去の最低値に基づいた「ディストピア」がベンチマークとして採用されており、簡単に説明すると「ディストピア=不幸な国の象徴」とされている。日本はこのディストピアの最低値(1.92)と2015~2017年の調査で算出した各国・地域の「残余値」が比較的低い。つまりディストピアと現実の差があまりなく、幸福だと感じている人が少ないということになる。香港(76位)、南アフリカのボツワナ(146位)、ルワンダ(151位)などは、日本よりさらに差が縮まる。

対照的に北欧諸国に代表される上位国では、ディストピアと現実の差が大きく開いている。

アジアのトップは台湾(26位)、シンガポール(34位)、マレーシア(35位)。台湾とマレーシアは「自由」「寛容」「信頼」、シンガポールは「寛容」「信頼」が弱点だが、どうやらこの辺りは世界に共通しているようだ。どの国の評価結果を見ても、この3項目が最も低い。

ブルンジの幸福度はフィンランドの4割弱

上位はやはり北欧諸国が独占。幸福度研究所のメイク・ヴィーキングCEOは、北欧諸国が高評価を受けている理由として、「質のよい生活を作り出すという点で正しい取り組み方をしている」とコメントしている。

確かに上位にランクインした国・地域はいずれも「所得」「社会的支援」「健康寿命」「寛容性」が高く、生活水準が経済面だけではなく精神面、健康面でも高いことが分かる。
「最も幸福度が低い国・地域」は東アフリカのブルンジで、総合スコアは2905ポイントとフィンランドの4割にも満たない。次いで中央アフリカ共和国(3080ポイント)、南スーダン(3.254)、タンザニア(3.030)、イエメン(3.355)、ルワンダ(3.408)、シリア(3.462)など、政治情勢が慢性的に不安定な国・地域が続く。

国民が幸福な国・地域では移民も幸せ?

世界各国の移民が2.4億人(人口の3.3%)を突破した近年、各国・地域における幸福度はこれらの移民を考慮する必要がある。上位の国はいずれも「移民にとっても幸せな国・地域」 でもあることが、レポートに掲載された別のランキングから分かる。逆に「移民が不幸な国・地域」は総合ランキング同様、シリアやルワンダ、南スーダンなどだ。

自国民だけではなく移民にも良質な生活を提供出来る寛大さが、国全体の幸福度に貢献しているのかもしれない。日本は25位と、移民にとっては比較的暮らしやすい国と評価されているようだ。

米国はトランプ政権への不安感からランクダウン?フランスは跳躍

一方4つランクダウンとなった米国は、トランプ政権による移民制限や貧困層への支援、医療ケアの予算削減などが、国民の幸福度を下げる要因としてスコアに反映されているものと推測される。

ドイツ、アイルランド、ルクセンブルグ、ベルギーなどがわずかとはいえ順位を上げた一方で、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンは順位を下げた。新政権への期待が高まるフランスは一気に8ランクアップ。英国は前年から19位を維持した。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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