今回の相談者は、貯金できないことが不安になり、パート勤務で働き始めたKさん(妻)です。これまで、ご主人のボーナス分で少し口座に余裕ができることがあっても、いつの間にか貯金がなくなっている、とおっしゃいます。教育資金だけでなく老後資金も貯めたいのに、どのようにしたらいいでしょうか、というお悩みです。
 

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現状のお金の使い方

「銀行のATMに並ばなくていいし、ポイントも貯まるので、支払いはほとんどスマートフォンやクレジットカードで済ませています。また、1年ほど前に車を購入し、ローン、駐車場やガソリン代などで毎月2万5,000円ほど、ボーナスからは20万円を支払っています。ですが、自家用車は家族で出掛けるときや、自宅から少し離れている格安のスーパーや量販店に行くとき、帰省するときにも重宝しています」

Kさんもご主人も、新型コロナウイルスの影響を受けて、世の中が今まで通りではない状態になっていることもあり、貯金がないことにとても不安を感じているとおっしゃっています。Kさんのパート収入は、月に5万円です。月に5万円も収入が増えたのだから、貯金もだんだん増えると思っていたそうですが、実際は今までと変わりませんでした。

収入が増えて、日々の買い物や帰省するときの交通費などを節約しているのに、なぜかお金が貯まらない……。原因はどこにあるのでしょうか。今すぐにお金の流れを把握して、家計をしっかり見直して貯金を増やしましょう。

相談者へFPからのアドバイス

キャッシュレス決済は予算管理が大切

スマートフォンやクレジットカードで支払いをすることは、国のあと押しもあり便利でお得なのですが、使えるお金がいくら残っているのか、わかりづらいことがあります。支出の予算を決めて、予算内で収まるように管理していきましょう。

自動車保険の見直しやレジャーの工夫を

自動車ローンを含めた車の維持費は、年間50万円かかっています。その他にも自動車保険や自動車税、車検の費用も必要になりますね。現状では家計への負担が大きいのではないでしょうか。

まずは固定費となる自動車保険の見直しをおすすめします。加入条件によっては保険料を抑えられる場合があります。

また、気軽に出掛けられる分、毎月のレジャー費もそれまで以上にかかっていますね。無料で遊べるところを探したり、計画的に、予算も考えて出掛けたりするようにするとお金も残っていきますよ。

児童手当は別口座で管理

お子さんがお一人の場合、児童手当が小・中学生の間は毎月1万円支給されますので、年間12万円×9年=108万円となります。確実に残せるように口座を分けておきましょう。ご自身のパート収入も、家計に加える分とご自分の貯金にする分を区別すると、モチベーションアップにつながります。

余裕が出てきたら老後資金にも目を向けよう

お子さんが高学年になるにつれて、帰宅時間が今より遅くなるなど、Kさんの自由な時間が増えてきますので、もう少し収入を増やすこともできるでしょう。家計に余裕ができてきたら、老後資金を貯めることにも目を向けなければなりませんね。現在はご主人の扶養の範囲内で働かれていますが、ゆくゆくはパートの時間を増やして社会保険に加入することも検討してみてください。

厚生年金と健康保険の加入の対象となるのは週30時間以上働く方でしたが、2016年10月からは、従業員が501人以上の企業では20時間以上働く方なども対象になりました。2022年からは101人以上、2024年10月からは51人以上の企業で20時間以上働く方も対象になります。

Kさんのお勤めの企業は、従業員数が101人以上ですから、2022年以降、厚生年金に加入すると、残業代や通勤手当以外の毎月決まった賃金が8万8,000円の場合、厚生年金保険料は月額約8,000円、20年間加入すると年金額は月に約9,700円増えることになります。

また、収入が増えた分をコツコツ貯めていくことも大切です。

気づいたときから始めよう

思いもよらない事態が自分にも起こるかもしれないということは、常に考えておくべきです。自分や家族がケガや病気で治療が必要になり、支出がかさむこともあるでしょう。貯金の計画は、すぐにうまくいかないことがあるかもしれませんが、毎月、収支を報告するなど、ご夫婦で協力しながら貯金を増やしていただきたいと思います。
 
文・藤原洋子
所属・フィナンシャルプランナー
生命保険会社で営業職を経験し、AFP資格を取得。現在は、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、執筆、相談、セミナーを通して活動しています。  

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