でも、そうやって苦しんでやればやるほど、登山と同じで最後には美しい景色が広がると思うんですよね。苦しいことを経ずにやることはできないから、苦しむことすら楽しめるようになれたらいいなと思っています。
――そういう方っていると思いますか?
橋本:いると思います。たとえばお芝居のレッスンを努力だと思ってない人(笑)。熱中できることは本当に天性のものだと思いますし、わたしは努力! 努力! という感じでやってきたので、楽しい人には叶わないなと思うんですよ。だから楽しめるまでもっていきたいんです。
◆「超若い!」のマインドで生きている

橋本:先ほど話したように数字的なこだわりはないのですが、30代になると20代に戻れない恐怖みたいなものは少し感じますね。それって大袈裟に言うと死に向かっている恐怖かもしれないのですが、そう考えてみると人生まだ30年、まだまだですよね。なので「超若い!」そういうマインドで今生きています(笑)。
――新しくチャレンジしてみたいことはありますか?
橋本:わたしは音楽がすごく好きで、それこそ努力と思ったことがひとつもないんです。ボイトレもひたすらやり続けられますし、努力と思わず熱中できるものが自分にとっては音楽だったから、これから何かを作っていけたらいいなと思っています。
ダンスにもいい影響を及ぼしますし、身体表現も自分が熱中できることだから、そういうことをこの先極めていって、表現に落とし込めていけたらいいなと目論んでいます。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/吉開健太>
【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。