「これらに比べると『白雪姫』は大きく落ち込んでいることがわかります。特に、『アラジン』以降は成績が落ちていますから、ディズニープリンセスの実写映画としてのブランド力を回復させるための方策が必要なのかもしれません」(同)
初登場7位の『教皇選挙』が「破格の大ヒット」といえるワケ
今回のランキングではそのほか、高橋文哉と西野七瀬(元乃木坂46)がダブル主演を務める『少年と犬』が4位、米英合作のミステリー映画『教皇選挙』が7位、Koki,主演のラブコメディ2部作の前編となる『女神降臨 Before 高校デビュー編』が9位にそれぞれ初登場(いずれも3月20日公開)。
東日本大震災で飼い主を亡くした犬とさまざまな事情を抱える人間たちの姿を描いた『少年と犬』は、小説家・馳星周氏の同題作品(文藝春秋)を実写化。週末3日間で動員8万3000人、興収1億900万円、祝日だった公開初日を含む4日間の累計興収は1億6,400万円をあげている。
ローマ教皇選挙の舞台裏と内幕を描いた『教皇選挙』は、主演をレイフ・ファインズ、監督をエドワード・ベルガー氏が務めており、7位発進ながらネット上では「めちゃくちゃ面白いブラックコメディ」「もっと注目されるべき映画では?」などと話題だ。
前出のヒナタカ氏によれば、今作は「破格の大ヒット」を遂げているそう。
「『教皇選挙』の公式Xでは、公開4日間で満席の回が128回もあり、公開5日間で興収1億円を突破とも発表されています。『第97回アカデミー賞』で計8部門ノミネートの話題性、主演のレイフ・ファインズに知名度はあるものの、日本人にはあまりなじみのない題材かつ、上映館が107館と小規模であることを考えると、かなり健闘しているのでは。そこから思い出されるのは、『第96回アカデミー賞』でのノミネートおよび受賞、人間の歴史および現代社会の問題をえぐるような内容、さらに漢字4文字の邦題であることなどが共通している、アウシュヴィッツ強制収容所とホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を題材とした『関心領域』(24年)です。“洋画離れ”がささやかれる今、日本人がこうして世界の問題に触れる映画に興味を持つことは喜ばしいですし、今回の『教皇選挙』は『関心領域』よりもエンタメ性が高い内容でもあるので、今後の口コミ効果でさらなる大躍進もあるでしょう」