1-1所得補償保険の概要
(1)保障内容:
病気やけがで一定期間働けなくなった場合に、通常の収入の一定割合(50%~70%など)を保障するものです。
(2)保険金支払期間:
働けない状態が続く間、一定期間(月単位または年単位)にわたって、保険金が支払われます。
(3)保険料:
保障額、支払期間、年齢、職業リスクによって保険料が異なります。リスクの高い職業ほど保険料が高くなります。
(4)免責期間:
保険金の支払いが始まるまでの待機期間で、通常、数日から数ヶ月です。支払い停止条件は、働ける状態に回復した場合や、規定の支払い期間が終了した場合です。
1-2意味・メリット
1)経済的な安心感:けがや病気で長期間収入がなくなった場合でも、生活費やローン返済などに充てる資金を確保できます。
2)補完的な役割:公的な障害年金や傷病手当金だけでは、十分に収入減少をカバーできない場合の、補完策として機能します。
所得補償保険は特に、自営業者やフリーランスなど、企業の福利厚生に頼れない人にとって有用です。
3.社会保険と民間保険の保障の重複と民間保険の活用について
上記の説明から分かるように、会社員・公務員の場合、公的医療保険(健康保険)から傷病手当金が出るので、あえて民間の所得補償保険に加入する必要はありません。
それに対し、自営業者・フリーランスの場合は国民健康保険であり、厚生年金保険には入っていないので、傷病手当金は支給されません。
そのため、けがや病気で長期間収入がなくなった場合に備えるために、所得補償保険に加入する意味があるといえます。さらに付言すれば、会社員・公務員でも「重複保険になることを承知の上で、保障を手厚くするために所得補償保険に加入する」という選択肢があります。