1-1.主な特徴

(1)支給条件
傷病手当金を受け取るためには、次の条件を満たす必要があります。


1)業務外の病気やけがで働けなくなったこと(労災は対象外)
2)連続して3日以上仕事を休んだこと(この「待機期間」には、土日や祝日も含まれます)
3)休業中に給与が支払われていない、または給与が支給されていても傷病手当金より少ない場合

(2)支給額
支給額は、休業前の標準報酬月額をもとに算出されます。具体的には、1日当たりの支給額を、次の計算式で求められます。
 
「標準報酬月額÷30日×2/3」
 
つまり、1日当たり給与の約3分の2が支給されることになります。
 
(3)支給期間
傷病手当金は、最初に支給を開始した日から通算して1年6ヶ月間支給されます。途中で働けるようになった場合でもその後再度休業すれば、休業期間が通算して1年6ヶ月以内であれば支給を受けることができます。
 
(4)手続き
申請には、医師の診断書や会社からの報告書が必要です。会社の健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)に申請書を提出することで、給付を受けられます。
 

1-2傷病手当金の意義

この制度は、会社員・公務員などの公的医療保険(健康保険)に加入している人が、病気やけがをして長期間仕事を休まざるを得ない状況下でも、経済的な不安を軽減し、治療に専念できる環境を提供することを目的としています。特に、会社員などの被保険者にとって重要なセーフティネットとなっています。
 

2.民間保険の所得補償保険の概要と意味

民間保険の「所得補償保険」とは、事故や病気などで働けなくなった場合に、一定の期間、収入の一部または全額を保障する保険です。
 
これにより、けがや病気などで働けなくなったときの経済的なリスクを軽減することができます。会社が提供する社会保険制度とは別に、個人が任意で加入できる保険として提供されています。