◆愚痴を聞かされ続け爆発した彼氏に、共感してしまう

 急な自分語りで恐縮ではあるが、筆者も過去に交際していた女性から仕事に関する同じ内容の愚痴を何度も聞かされた経験がある。最初は「大変だったね」とそれこそ共感していたが、毎回同じ内容の愚痴を聞かされるのはしんどい。なにより、最初に愚痴を聞いていた時よりも元カノの周辺状況は悪化しており、「これまで何をやっていたのか?」と不信感さえ覚えた。むしろ「安易な共感は何もしないことを肯定しているのでは?」と不安にさえなった。

玄関にいる男性
 繰り返しになるが投稿者と彼氏の情報は一切わからない。ただ、彼氏としても最初は共感を示していたが、同じ愚痴ばかりを聞かされることに嫌気がさしてしまい、怒りが爆発したのではないか。「共感してほしい」という願望を無視して、アドバイスや正論を口にした彼氏にこそ、筆者は共感できてしまう。

◆「正論しか吐けない男は反省しろ」投稿がバズった背景

 改めて同投稿が盛り上がった理由を考察してみると、先述した通り“愚痴を聞く側の軽視”につきるのではないか。投稿者は「ただ辛い思いをしているんだから彼氏としてうんうんって優しく聞くだけでいいんだよ」と述べているが、愚痴を聞くことの難易度は低いものと考えている様子。たしかに一見、アドバイスするよりも「うんうん」と聞いているほうが簡単に思える。

カフェで喧嘩をするカップル
 ただ、一緒にいると疲れたり元気がなくなったりしてしまう人を指す「エナジーバンパイア」という言葉が存在する。加えて、不機嫌な態度や言動で周囲に精神的な負担を与える行為「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」という新たなハラスメントを最近耳にする機会が増えた。

 愚痴ばかりを聞かされることは精神的に辛い。また、愚痴を話している時の話し手はほぼほぼ不機嫌だ。エナジーバンパイアやフキハラという言葉が誕生・存在している要因には、愚痴を聞くことに激しく負担を感じている人が多いことがうかがえる。だからこそ、その怒りや不満が今回の投稿で一気に破裂して盛り上がりにつながったように思う。