今回は、以下の条件で医療費の払い戻し額を比較しましょう。
 

・Aさんの標準報酬月額は28万円
・Bさんの標準報酬月額は26万円
・2人とも40代
・2人とも1ヶ月に150万円かかる治療を受け、3割負担で45万円を実際に支払った

 
高額療養費制度の払い戻しを計算するとき、基準となる金額は実際に支払った金額です。今回のケースだと、45万円から払い戻し額を計算します。
 
まず、Aさんの条件で医療費を計算式に当てはめると「8万100円+(45万円-26万7000円)×1%」となり、上限額は8万1930円です。45万円から上限額を引いた36万8070円が払い戻されます。
 
Bさんの場合、上限額は5万7600円です。払い戻し額は39万2400円になります。
 
標準報酬月額で見ると2万円の差ですが、高額療養費による払い戻し金額は2万4330円の差です。
 

状況によっては医療費負担をさらに軽くできる可能性も

もし過去1年間で3回以上上限額を超えている場合は、4回目から多数回に該当し、上限額が引き下げられます。もし多数回該当となったときの69歳以下の上限額は表2の通りです。
 
表2

標準報酬月額 通常 多数回該当
83万円以上 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% 14万100円
53万円~79万円 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% 9万3000円
28万円~50万円 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% 4万4400円
26万円以下 5万7600円 4万4400円
住民税非課税者 3万5400円 2万4600円

出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成
 
過去1年間で多額の医療費を何度も支払った方は、該当しないかチェックしておきましょう。
 
また、同じ世帯で同じ医療保険に加入している人がいる場合は、世帯全員の医療費を世帯合算で計算することができます。ただし、69歳以下の場合は、医療費の自己負担が2万1000円以上の分のみが合算の対象となるため、計算の際は間違えないようにしましょう。
 

高額療養費制度は収入によってひと月の上限額が変わる