車の事故で友人とともに1ヶ月の入院。医療費はほぼ同じなのに、「高額療養費制度」の払い戻し金額が違うのはなぜ?
月ごとに高額な医療費を支払った際に利用できる制度が高額療養費制度です。決められた上限額を超えていると、超えた分を払い戻してもらえます。しかし、人によっては知人がほぼ同じ医療費だったのに払い戻し金額が違う、という経験をした方もいるかもしれません。   今回は、高額療養費制度の上限額の決まり方や、収入によってどれくらいの差が出るのかなどについてご紹介します。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

高額療養費制度は収入ごとに上限がある

高額療養費制度では上限を超えた金額を払い戻してもらえますが、年齢や収入に応じて金額は異なります。厚生労働省によると、69歳以下のひと月の上限額(世帯ごと)は表1の通りです。
 
表1

標準報酬月額 ひと月の上限額(世帯ごと)
83万円以上 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
53万円~79万円 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
28万円~50万円 8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
26万円以下 5万7600円
住民税非課税者 3万5400円

出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成
 
標準報酬月額とは、毎月受け取る給料を一定金額ごとに区分し、当てはめた金額です。そのため、標準報酬月額が高いということは、給料も1ヶ月の上限額も高くなります。同じ年代でも、給料が違えば制度が適用される金額も変わる可能性は十分にあり得るでしょう。
 
なお、国民健康保険に加入している場合は標準報酬月額ではなく「旧ただし書き所得」に応じて上限額が変動します。
 
三鷹市によると、旧ただし書き所得は「国民健康保険に加入している年度(4~3月)の前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の金額から基礎控除額43万円を控除した額」です。算定基礎額とも呼ばれます。
 

同じ医療費で収入が異なるときの払い戻し額はいくら?