SBI証券はツール・アプリも充実

ネット証券であるSBI証券では、ツールやアプリのサービスにも力を入れている。PCを利用して投資を行う人向けに提供しているのが、「HYPER SBI」だ。板情報画面でドラッグ&ドロップするだけでタイミングを逃さず、素早く注文できるため、アクティブトレーダーにも満足できるツールである。投資情報の機能も提供しており、チャートやニュースなどの投資情報や、株価や市況を教えてくれるアラート機能も付いている。

利用料金(税抜き)は1カ月500円、3カ月1500円だが、条件によっては無料で利用できる。無料利用条件と無料期間は以下の4とおり。

(1) 新規にSBI証券の総合口座を開設すれば1カ月間
(2) 前営業日に国内株式の現物取引の約定が合計1回以上ある、または約定日当日17時時点で円貨建取引の「信書、運用報告書等」の電子交付サービスを選択し、利用している場合は翌営業日から36日間
(3) 信用取引口座または先物・オプション取引口座を開設すれば原則無期限
(4) 前月末最終営業日時点で国内株式・カバードワラント等商品の預り残高合計額が1億円以上ある場合は当月3営業日目~翌月9日まで

現物取引を定期的に行ったり、信用取引口座を開設したりと、ある程度投資を行う人であれば、HYPER SBIは実質無料で利用できる強力なトレーディングツールだ。

スマートフォンで投資を行いたい人には無料で利用できるアプリも提供している。SBI証券 株アプリ、HYPER FXアプリ、HYPER 先物・オプションアプリ、HYPER CFDアプリの4種類があり、iPhone、Androidのどちらにも対応している。LINEサービスやモバイルサイトなど多彩なツールが用意されているため、ネット環境を選ばないのも大手ならではの充実ぶりだ。

IPO引受件数がトップクラス

IPOとは、「新規公開株」「新規上場株式」ともいわれるもので、新規に証券取引所に上場し、株取引ができるようにすること、その株のことを指す。株式上場を行う場合、通常は新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有している株式が売り出されたりする。これらの株式を、証券会社を通じて投資家へ配分することがIPOと呼ばれるものだ。

上場に関して申請会社への支援業務を行うのが幹事証券会社だ。その中心となってIPOを進めるのが主幹事証券会社となる。また、幹事会社以外でIPO株の売り出しを引き受ける証券会社は、引受証券会社と呼ばれる。

主幹事を務めるには30億円以上の資本金が必要となるため、主幹事証券会社は大手証券会社に限られる。引受証券会社でも5億円以上の資本金が必要だ。そのため幹事会社は大手証券会社だけで行われることがほとんど。具体的には野村證券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、SBI証券の5社だ。この5社で9割以上のシェアを持っているのが現状だ。

IPOを購入するには、主幹事会社、幹事会社、引受会社のいずれかに総合口座を開設する必要がある。幹事会社を行う5社のうち、ネット証券はSBI証券のみ。松井証券やマネックス証券など他ネット証券は、引受証券会社を務めることはあっても幹事会社を務めることは少ない。SBI証券のIPO引受実績は2017年で87件。

これは野村證券や大和証券などの総合証券会社を抜き、1位となっている。そのうち主幹事証券会社を務めたのは8件。IPO株は購入したいと希望しても、抽選で外れることもある。しかし、取り扱いがない証券会社でしか投資を行っていない場合は、抽選に参加することさえできない。

IPO株投資を行いたい場合は、まずは引受株数が多い証券会社で総合口座を開設し、取引を始めることが必要なのだ。特に主幹事証券会社は引受株数も多く、当選の確率も上がる。主幹事証券会社を務める他の総合証券会社が法人や大口取引が中心であることを鑑みても、IPO株を購入したい場合、まずはSBI証券で取引を始めるのがよいといえそうだ。