重ねて「大工」という職業を軽くディスってくるという、皿洗いやバイトリーダーをうっすらバカにしてきた『おむすび』独特の職業に貴賤をつける価値観も出てきて、ただつまんない合コンシーンに、さらにノイズが混じるという状態。もうね、汚い言葉を使ってしまって申し訳ないですけど、「××を××で煮詰める」という慣用句の具現化ですよ、これ。クソですよ。どないしよ。

 この合コンって、アユの顔面が注視されてしまうシーンなんですよね。アユのアキピーに対する気持ちに寄り添おうとしても、あんだけ不機嫌を振りまいていたくせにどのツラ下げて合コン行ってんだよという気持ちで見たとしても、結局は「アユはどんな顔をするのか」を見てしまう。仲里依紗は難しかったと思うよね、こういうとき、どんな顔していいかわからないよね。笑えばいいと思うよ。家帰って、とりあえず今日の撮影のことは忘れて、中尾くんと一緒になんかテレビでも見ながら笑えばいいと思う。中尾くんはいいやつだからな。知らんけど。おつかれさまでした。

あとはショッピングセンターか

 商店街全体の規模感、それとサイキョーさんが計画中のSCがどれくらいの大きさなのかがわからないから、いまいち危機感が伝わってこないのだけれども、これはナベが家を売ったら買収完了ということでいいんだよね。

 こういうのも、普通は脚本会議の段階で大まかなマップを作るもんだと思うんです。アーケードのかかっているメイン通りが何メートルくらい、どの方角に走っていて、そこから横道に入るとどれくらい店があって、サイキョーさんはこの店とこの店を潰して、この面積のSCを建てようとしている。こことここは買収が終わっていて、ナベの店はここ、太極軒はここにあって、ヨネダはここ。パン屋はここ。

 そういう位置関係が決まっている感じがしないんですよね。SC建設に抵抗するにしても、テナント賃貸のヨネダと地主のナベでは全然立場が違うし、そういう立場の違いからだけでも、いくらでも物語を立ち上げることができるはずなんです。なんか二重債務を抱えてた人もいたよね。