役職定年制が浸透してきているのは、企業にとってメリットが大きいためだと考えられます。企業のメリットとして考えられるのは、次の3つです。
・組織内の若返りを図れる
・各社員の能力を最大限に活かせる配置転換ができる
・人件費の適正化ができる
組織を維持していくためには、常に若返りを図り続ける必要があると考えられます。そのために役職定年制を導入することによって、企業の新陳代謝を定期的に促せる可能性があります。
また、管理職手当の見直しにより、企業の収支バランスを維持できる場合もあるでしょう。ただし、役職定年制は企業のメリットとなる一方、対象となる社員のモチベーション低下につながる可能性があるという課題も存在するようです。
役職定年で給与はどれくらい下がるのか
役職定年後、多くの会社では給与水準が下がる傾向にあります。特に、元々の給与の75%~99%まで下がる企業が最も多く、およそ8割の企業に上るというデータもあります。例えば、役職定年前の年収が600万円だった場合、その75%の450万円まで下がってしまう可能性があるということです。
収入の減少は、仕事に対するモチベーションが下がってしまう原因の1つとなる可能性があります。モチベーションを下げずに働くためにも、役職定年前から、役職定年後のビジョンを明確に持っておく必要があるでしょう。
そのためにも、あらかじめ役職定年後の給与がどの程度になるのか、仕事内容に変化があるのかといったことを会社側に確認しておくことがポイントです。転職して新たな道を模索する方法や、社内でモチベーションを維持できるような仕事を見つけるなど次のアクションを起こしやすくなる可能性があります。