
▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
3つの壁(103万円、106万円、130万円の壁)とは
パートタイム労働者(就業者)の人数は、厚生労働省データ(※1)によると2022年で約1414万人になっています。この人数は、総労働者の26.6%、女性労働者の43.0%にのぼります。
そして、多くのパートタイムで働く人が気になるのが「年収の壁」だと思われます。「壁」はいくつかありますが、103万円、106万円、130万円の3つが主なものです。最初に、この3つの壁の内容を見てみましょう。
図表1
筆者作成
103万円の壁
103万円の壁は、所得税の課税・非課税の分岐点(壁)です。所得税では、給与所得控除55万円と基礎控除48万円が認められており、年収がこの合計である103万円以下であれば所得税が非課税になります。
また、配偶者がいる場合、パート就業者が非課税の場合は、配偶者の扶養家族になるので、控除により配偶者の課税所得が少なくなり、その結果、所得税と住民税額も少なくなります。
仮に、配偶者が10%の所得税率が適用されている場合は、配偶者控除38万円の10%の3万8000円、20%の所得税率適用の場合は7万6000円、配偶者の所得税が少なくなります。したがって、パート就業で収入が103万円を超えると、所得税と住民税が増えることになります。