そして今年1月18日放送の「怪盗キッドと王冠マジック(前編)」のエンドクレジットで、『ドラゴンボール』シリーズ(フジテレビ系)トランクス役、『SLAM DUNK』(テレビ朝日系、1993年10月~96年3月)桜木花道役でおなじみの草尾が安室を演じていることが判明。ネット上では「甘さのある声が合ってる」「タイプが違うけど違和感はあまりなくてよかった」などと概ね好評のようだ。

“ハマる役はハマる”安室透役・草尾毅の業界評

 声優業界に詳しいライターの勅使河原みなみ氏は、草尾起用の背景を以下のように分析する。

「草尾さんも古谷さんと同じ青二プロの所属です。サボ役の入野さんは子役出身で、ジャンクションという芸能事務所所属のため例外ではありますが、基本的に、青二の声優が降板した場合、『それを埋めるのは青二でお願いします』というのは、業界の基本的なルール。事務所が主体となってキャスティング候補を出し、最終的には制作側と協議しながら決定したのだと思います。声が合っているかどうかはもちろん、素行問題なども選定項目の一つとして、『草尾さんは今後大丈夫ですよね?』といった確認が制作側からなされたはずです」

 なお、草尾は同世代の男性声優の中では「決して演技がうまいほうではありません」とのこと。

「それなりに実績と名声のある人ですが、演技の幅が狭く“ハマる役はハマる”というタイプ。業界内では『昔売れていた人』という印象が強く、最近は目立つアニメ作品に出演していなかった。そのため、今回いいタイミングで代役がまわってきたともいえます。彼は青二プロダクションの養成所『青二塾』出身の、生粋の青二っ子なので、事務所からは特に大切に扱われてきた。こうした背景も、今回の安室役抜てきに関係しているのではないでしょうか」

 『機動戦士ガンダム』シリーズのアムロ役で知られていた古谷が安室役で再ブレークしたように、草尾も再浮上できるだろうか。