女性器にコンプレックスを持つ女性たちは、具体的にどんな点に悩みを抱えているのでしょうか。そして、それはそのままにしておいていいのか、何か対策を施したほうがいいのか。臭いや黒ずみ、ヒダの大きさなど、女性器にまつわる気になるテーマを調査結果とともに喜田直江医師が解説します。
前回のコラム「女性器の悩みやコンプレックスは解消できる」でご紹介した、女性器の悩みやコンプレックス。では実際に、女性器にコンプレックスを抱えている人はどのくらい存在しているのか――。
■女性器のコンプレックス
都内在住・在勤のOL 463名が所属するOLネットワークの調査によると「女性器に何らかのコンプレックスを持っている」と答えた女性は58%。実に6割近くの人が女性器コンプレックスを持っているというのは、決して少ない数字ではありません。
彼女たちが持つ具体的なコンプレックスは次の通りです(カッコ内はコンプレックスを持っている人の中での比率、複数回答可)。
1位 臭い(67%)
2位 黒ずみ(48%)
3位 小陰唇のヒダが大きい、あるいは長いなど(36%)
4位 膣のゆるみ(34%)
5位 毛深い(26%)
6位 処女膜がない(再生したい)(4%)
7位 性交時の膣の痛み(2%)
8位 クリトリス包茎(2%)
1位の「臭い」は女性器コンプレックスを持っている人の7割近くが挙げていますが、医学的にいうと、性病などにかかっていない限り、陰毛のケアをすればほとんどが解決する問題でもあります。もちろん、ここに「清潔にする」という但し書きがつきますが、現代の日本女性でその点をクリアしていない人はほとんどいないはずです。
欧米諸国に比べて日本の女性は陰毛のケアについて無頓着ですが、5位に挙がった「毛深い」悩みも含めて、正しいケアの方法を知り、実行すればこのふたつのコンプレックスは容易に解消されるはずです。
■性器の色や大きさに正解も不正解もない
また、2位の「黒ずみ」については、性器の色には正解がないため、どこからが普通でどこからが問題かというボーダーラインを引くのは困難です。そもそも「膣や膣付近の黒ずみが健康上の問題」ということはなく、よく世間で言われている「性体験が多いほど女性器が黒ずむ」などという噂にも医学的な根拠はありません。
同様に、3位の「小陰唇のヒダが大きい、あるいは長いなど」というコンプレックスについても、医学的にみると小陰唇の大きさに正解はないため、気にしすぎているケースも含まれます。とはいえ、明らかに大きすぎて日常生活に支障をきたしたり精神的に不安を抱えたりする場合は、治療したほうが生活面でも精神面でも楽になるでしょう。ひとつの目安として、「足を広げて立った状態で、前から見て(小陰唇が)はみ出しているかどうか」を基準とし、「もしもはみ出しているなら治療を検討したほうがよい」といえます。
そのほか、「処女膜がない(再生したい)」「クリトリス包茎」「性交時の膣の痛み」などはそれぞれカウンセリング後に治療できます。また、「性交時の膣の痛み」とくに「激しい痛み」には、膣の変形など何らかの原因がある場合があります。これもまた、我慢せずに専門医の診察を受けたほうがいいコンプレックスです。
最後に、4位の「膣のゆるみ」についてはコンプレックスを持つ人の34%が挙げていますが、この数字は、調査対象であるOLネットワーク所属の女性の年齢層が20~42歳であることに関係しています。
出産経験があって加齢も進んだ30代後半から40~50代までを対象にした場合、この数字は倍以上に膨らむはずです。膣のゆるみの治療にあたっては、ゆるみの度合いを専用の測定器で測った結果をもとに、いくつかある膣縮小の治療法から最適なものを選んで実施します。
■10人にひとりが「自分の性器を見たことがある」
OLネットワークのデータの中で、もうひとつ注目すべき結果があります。それは、「自分の性器を見たことがありますか?」という問いに対する答えです。
「はい」が11%、「いいえ」が89%――ここで「はい」の11%というのは、私の予想よりかなり大きい数字だと感じました。自分の性器ですから、もっと大勢の人が身近に感じ、見たことがあると答えてほしいとは思いますが、通常は改めて見る必要がないのも事実です。そんな中で10人にひとりが「自分の性器を見たことがある」と答えたのですから、読者の皆さんにとっても意外な数字ではないでしょうか。
この問いに続く「どんなときに性器を見ましたか?」(複数回答)という問いへの回答は、「興味本位」55%、「ヘアのケア時に」45%、「セックス中にカレに見せられた」27%、「検診前のチェック」18%と続いています。
また、「自分の性器を見たことがある」女性のうち27%(全体でみると3%)が「それにより何らかの女性器コンプレックスを持った」と答えています。日常的に見ることがない女性器だけに、いざ目にしてみると、違和感を持つのもその原因のひとつでしょうし、女性器のどういう状態が正常でどうなっていると不正常なのかがわからないために、自分の性器が異常だと感じてしまう場合もあるでしょう。
そして、「もしかしたら私の女性器もおかしいのでは? と思う、あるいは思った経験がある」女性は19%でした。これは、女性器コンプレックスに陥る危険性のある黄色信号の女性の数字です。この中には「おかしいのでは?」と心配しているだけで、実際は心配するに値しないケースも少なくありません。また、治療法を知れば容易に解決できるコンプレックスも多いと推定されます。
いずれにしても、多くの女性が女性器コンプレックスを持つ「危険性」が高いことは間違いありません。第3回目のコラムではセックス中の彼の何気ないひと言で深刻な「女性器コンプレックス」を持つようになった女性たちの声を紹介します。
Text/喜田直江
平成13年京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。平成23年10月、東京都中央区銀座でなおえビューティークリニックを開院。日本形成外科学会会員、日本性科学会会員、ビビーブ認定医、ウルトラヴェラ指導医。著書に『女性器コンプレックス 愛する人と交われない女たちの苦悩』などがある。
この記事は2016年12月6日に公開されたものです。
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