コーヒーの香りが大好きな方も多いのではないでしょうか? コーヒーのおいしさは、コーヒーにお湯を注いだときに立ち上る豊かな香りや、コーヒーを飲んだときに口の中で感じることのできる風味から形作られているといっても過言ではありません。
コーヒー独特のあの香りは、いったいどのような成分からできているのでしょうか? 本記事では、コーヒーの香りの元となっている成分と、どのように香りが発生するのかについて、ご紹介します。
コーヒーの香りの元になっている成分とは?
コーヒーの香りは、どのような成分から成り立っているのでしょうか。コーヒーの香りを構成する成分について詳しくご紹介します。
約800種類以上もあるコーヒーの香り成分
コーヒーの香りの元になっている成分は、およそ800種類以上もあるといわれています。これら多くの香り成分が組み合わさることで、コーヒーの芳醇な香りが完成します。ワインの香り成分が200種類ほどといわれていますから、コーヒーの香りがどれほど複雑かがよくわかりますね。
現在、すべての香り成分が解明されている訳ではありませんが、少なくともピラジン類やフラン類、ピロール類やアルデヒド類といった成分が含まれていることが分かっています。これらコーヒーに含まれる香り成分は、コーヒー生豆の品種や栽培地をはじめ、焙煎状態やコーヒーの保存状態、抽出方法などによって変化します。
コーヒーの風味に影響を与えるのは約30~60種類
コーヒーの香りにはコーヒー豆を挽いたときに香るフレグランスと、お湯を注いだときに香るアロマ、コーヒーを飲んだときに感じるフレーバーの3種類が存在します。前述したように、コーヒーの香り成分は約800種類以上存在しますが、これらの香り成分の中でも、風味(フレーバー)に強い影響を与える香り成分は約30種類~60種類ほどあります。
コーヒーの約99%は水分ですが、アルデヒド類・ピラジン類・フラン類などの香り成分が、コーヒー独特の香りを作り出しています。アルデヒド類の中には、アーモンドに似た香りを持つ有機化合物のフルフラール、バニラの香りを持つバニリンなどが含まれています。また、ピラジン類は香ばしいローストの香りを持ち、有機硫黄化合物のフルフリルメルカプタンなどのフラン類はコーヒー特有の甘い香りを持ちます。
コーヒーの香りはどのように発生する?
コーヒーチェリーやコーヒー生豆には、コーヒーの香りはほとんどありません。では、どこからあのコーヒー特有の香りは生まれるのでしょうか? コーヒーの香りと味が、どのように発生するのかについてご紹介します。
コーヒーの香りは焙煎することで生まれる
コーヒーの香りは、コーヒーのおいしさを構成する大切な要素です。しかし、焙煎する前のコーヒー生豆には、味も香りもほとんどありません。コーヒーの豊かな香りは、コーヒー生豆を焙煎することによって生まれます。
焙煎すると、コーヒー生豆に含まれている成分が熱によって化学変化を起こし、コーヒー独特の風味や揮発性の香りが発生します。焙煎時間と熱のかけ方により、浅煎り・中煎り・深煎りと大きく3つの焙煎度に分けることができますが、風味も香りもそれぞれに異なります。