焙煎することで起こる化学変化
コーヒー生豆を焙煎すると、アミノカルボニル反応の一種である、メイラード反応が起こります。メイラード反応とは非酵素的褐色反応とも呼ばれており、コーヒー生豆に含まれているアミノ酸と、還元性のある糖類の還元糖が加熱されることで起こります。このメイラード反応により、メラノイジンと呼ばれる褐色物質が生まれます。
コーヒー色を生む、メイラード反応の副反応として起こるのが、ストレッカー分解です。コーヒー生豆に含まれているアミノ酸がα-ジカルボニル化合物と反応してストレッカー分解が起こると、アルデヒド類やピラジン類、フラン類といった香気成分が生成されます。
香りが強く感じられるのは深煎りコーヒー
一般的に、コーヒーの香り成分は深煎りに近づくほど濃くなります。浅煎りコーヒーにはカフェインが多く含まれていますが、コーヒー独特の香りはそれほど強くありません。むしろ、甘くフルーティーで、繊細な香りがほのかに香ります。
一方、フレンチローストやイタリアンローストといった深煎りコーヒーは、カフェイン含有量は少なくなるものの、コーヒーらしい香りが強く感じられるようになります。
味だけではなく香りも楽しめるコーヒー
味と香り、どちらもコーヒーには欠かせない要素で、コーヒーは嗅覚と味覚を総動員して味わうことができる飲み物です。カップから香るアロマと、コーヒーを口に含んだときに感じるフレーバーにも違いがありますから、「これはなんの香りだろう? 」と分析しながら飲むのも楽しいかもしれません。
また、コーヒーの香りは、コーヒー生豆の品種や栽培地、焙煎度や保存状態によっても違ってきます。お気に入りの香りのコーヒーを見つけるのは、まさに「宝さがし」のよう。コーヒーを飲むときには、単なる眠気覚ましのためではなく、コーヒーの香りの違いを楽しみながら味わうようにしたいですね。
提供・Cafend
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