既存事業では優秀な成果を出せる人でも、新規事業の開発では成果が出せない……という人は少なくありません。イノベーションを生み出さなければならない新規事業開発では、通常の業務とはまた違った能力が求められるためです。それでは、新規事業開発に向いているのは一体どういった人なのでしょう? 具体的に考察してみましょう。

既存事業と新規事業の違い

既存事業と新規事業の最大の違い。それは、既存事業がすでに一定の成果を出しているのに対して、新規事業は失敗に終わるリスクがあるということです。新規事業には失敗がつきものだということを想定しておかなければいけません。

また、商品やサービスにはライフサイクルがあるため、既存事業だけでは企業の成長には限界があります。つまり企業が成長し、存続していくためには、新規事業を生み出していかなければならないのです。

既存事業にはすでに顧客がいるので商品やサービス向上のため、日々の対応が求められます。成功を収めた企業でも、日々の対応に追われて革新性を失い、外部から生まれてきたイノベーションに主役の座を奪われることも。こうした状況は「イノベーションのジレンマ」と呼ばれています。

このように、新規事業開発は失敗のリスクが高いにもかかわらず、企業の存在を賭けて果敢に挑戦しなければならないという面を持っています。

既存事業で成功した人はイノベーションに向いてない?

既存事業で成果を出すためには、確立された方法を実直にこなすことが必要とされます。そこでは、上司のやり方や、社内で効率が良いとされる方法を再現する力も役立ちます。

ところが、新規事業開発は、そうした能力だけでは対処できません。新規事業開発ではこれまでに経験してこなかったことがたくさん起こり得ます。また、事業自体が失敗に終わるリスクもあり、常に綱渡り状態なんてことも!

既存事業では成果を出せた人でも、必ずしもこうした状況に慣れている訳ではありませんよね。また、かえって既存事業での成功体験があるために、それにとらわれて新たな行動が取りづらくなっているなんてことも考えられます。