証券会社は、店舗で金融商品を販売する「対面証券」とインターネット取引に特化した「ネット証券」に分かれます。

これから投資を始める人にはネット証券がおすすめ ですが、どのような基準で証券会社を選べばよいか、迷っている人もいるのではないでしょうか。

今回はおすすめのネット証券と、口座開設の手続きについて詳しく解説します。

ネット証券の口座開設をおすすめする3つのメリット

ネット証券の魅力は、何といっても手軽さと利便性にあります。まずは、対面証券と比較した場合の ネット証券のメリット を見ていきましょう。

メリット1:取引手数料が安い

実店舗を持たないネット証券は家賃や人件費を大幅に削減 できる分、各種料金を安く設定できます。その違いが顕著に出るのが、 「取引手数料」 です。

対面証券の「取引手数料」は、最低でも3,000円程度です。一方でネット証券では、 数十円程度 しかかかりません。

取引方法やプランにもよりますが、取引手数料は取引のたびに支払うため、トータルリターンでは大きな差になります。

メリット2:ネット上で完結する

ネット証券は、口座開設から商品検索、売買注文、入出金管理まで、 すべてネット上で完結 します。何かを郵送したり、電話をかけたり、店舗に行ったりする必要はありません。

対面証券でもインターネット取引はできますが、取扱商品やサービス内容に制限があるケースが多く、すべてのサービス提供を受けるためには、店舗に行かなければならないところがほとんどです。

メリット3:自分のペースで取引できる

ネット証券は、インターネットに接続できる環境さえあれば時と場所を選びません 。電車の中やカフェでの休憩時間、就寝前のベッドの中などでも利用でき、いつでも中断できます。

取引方法やツールの使い方などは、公式サイトにまとめられています。AIチャットや動画解説などもあり、 初心者にもわかりやすいように工夫 されているので安心です。わからないことがあってもすぐに解決するので、スムーズに次のステップへ進めます。

FP厳選!ネット証券で口座開設するならここがおすすめ

ネット証券を探すときには、 手数料の安さ はもちろんのこと 取扱商品のラインアップ もチェックすべき重要なポイントです。また、 口座開設がインターネット上で完結 することや、 連携ポイントサービス、ロボアドバイザーの有無 など、さまざまな視点で比較するとよいでしょう。

とはいえネット証券の数は多いため、いざ口座を開設するとなるとなかなか決められないという方もいるでしょう。そこで、 おすすめのネット証券を5つ紹介 しますので、ぜひ参考にしてください。

SBI証券

SBI証券は手数料の安さはもちろん、 取扱商品数が多い ことでも人気のネット証券です。 9ヵ国もの外国株式 を扱っているところは珍しく、種類も豊富。外国株にも興味がある方は、SBI証券を検討するとよいでしょう。

またSBI 証券のIPO(新規公開株式)の抽選は、申し込むたびに当選確率が上がる仕組みになっているため、 IPO株の獲得を狙う人にもおすすめ です。

【SBI証券の取引手数料】

取引手数料
(取引ごと)
最低手数料 55円
~10万円 99円
~50万円 275円
~100万円 535円
(1日あたり) 最低手数料 0円
~200万円 1,278円
~300万円 100万円ごとに440円ずつ増加

【SBI証券の基本情報】

新規口座開設 Web完結
投資信託 約2,680本
外国株式 米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、
インドネシア、シンガポール、タイ、
マレーシア、海外ETF
IPO(新規公開株式) IPOチャレンジポイントで当選確率アップ
NISA あり
連携ポイントサービス Tポイント
ロボアド 投資一任型

>>SBI証券の詳細はこちら(公式サイト)

楽天証券

楽天証券も、 豊富な商品数と手数料の安さ で人気のネット証券です。利用料が無料のロボアドでは、運用コース診断から投資を一任することもできるため、初心者でも安心です。

楽天銀行との連携や楽天カード決済などがあるため資金管理もしやすく、 取引のたびに楽天グループ共通のポイントが貯まる など、楽天ならではのサービスを利用できます。

楽天ポイントでの投資もできるため、投資を始める際のハードルは低いといえるでしょう。

【楽天証券の取引手数料】

取引手数料
(取引ごと)
最低手数料 55円
~10万円 99円
~50万円 275円
~100万円 535円
(1日あたり) 最低手数料 0円
~200万円 2,200円
~300万円 100万円ごとに1,100円ずつ増加

【楽天証券の基本情報】

新規口座開設 Web完結
投資信託 約2,700本
外国株式 米国株式、中国株式、ASEAN株式、海外ETF
IPO(新規公開株式) 完全平等抽選
NISA あり
連携ポイントサービス 楽天ポイント
ロボアド 投資一任型

>>楽天証券の詳細はこちら(公式サイト)

マネックス証券

マネックス証券は 中国株式の取扱数が豊富 で、香港市場に上場しているほぼすべての銘柄を取り扱っています。 手数料も安く設定 されているため、中国株式に興味がある人は検討する価値があるでしょう。

「マネックスポイント」は、株式手数料や仮想通貨に交換できます。またdポイントやnanaco、Amazonギフト券など複数の外部サービスにも使えるため便利です。

【マネックス証券の取引手数料】

取引手数料
(取引ごと)
最低手数料 110円
~10万円 110円
~50万円 275円
~100万円 成行:1,100円
指値:1,500円
(1日あたり) 最低手数料 550円
~200万円 100万円~:300万円ごとに2,750円ずつ増加

【マネックス証券の基本情報】

新規口座開設 Web完結
投資信託 1,170本
外国株式 米国・中国、海外ETF
IPO(新規公開株式) 完全平等抽選
NISA あり
連携ポイントサービス マネックスポイント
ロボアド 投資一任型

>>マネックス証券の詳細はこちら(公式サイト)

松井証券

松井証券は、日本で初めて本格的なインターネット取引の提供を始めた老舗ネット証券。取引手数料は、取引ごとのプランがなく、 常に1日あたり100万円まで無料 です。

松井証券の サポート体制は10年連続で「問い合わせ窓口格付け」で三つ星 を獲得しています。ネット証券を利用する際は「自分で調べて自分で判断する」ことが前提ですが、投資に不安が多い間は、サポート体制も重要な項目といえるのではないでしょうか。

【松井証券の取引手数料】

取引手数料
(1日あたり)
※取引ごとプランなし
最低手数料 0円
~10万円 0円
~50万円 0円
~100万円 1,100円
~200万円 2,200円
~300万円 100万円ごとに1,100円ずつ増加

【松井証券の基本情報】

新規口座開設 Web完結
投資信託 約1,200本
外国株式 国内株式のみ
IPO(新規公開株式) 抽選
NISA あり
連携ポイントサービス 松井証券ポイント
ロボアド アドバイス型

>>松井証券の詳細はこちら(公式サイト)

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券の投資信託は、1銘柄あたり 毎月100円の積立金 で始められます。その分、同じ資金でも多くの銘柄への分散投資が可能です。

また、 投資信託の資産残高に応じてIPOの当選確率が上がる 方式を採用しているため、IPO投資の戦略を立てやすいというメリットもあります。

【岡三オンライン証券の取引手数料】

取引手数料
(取引ごと)
最低手数料 108円
~10万円 220円
~50万円 385円
~100万円 660円
(1日あたり) 最低手数料 0円
~200万円 1,430円
~300万円 100万円ごとに550円ずつ増加

【岡三オンライン証券の基本情報】

新規口座開設 Web完結
投資信託 548本
外国株式 中国株式
IPO(新規公開株式) 投信残高に応じて当選確率アップ
NISA 一般・ジュニアのみ
連携ポイントサービス
ロボアド アドバイス型

>>岡三オンライン証券の詳細はこちら(公式サイト)

ネット証券の口座開設に必要なもの

取引をしたいネット証券が見つかったら、口座開設に進みましょう。まずは 口座開設に必要なもの をチェック!

スマホ

手続きの途中で写真を撮影することになります。個人情報の入力などはPCでも構いませんが、 手元にスマホを用意 しておきましょう。

マイナンバーカード

口座開設ではマイナンバーの登録と本人確認があります。 マイナンバーカードがあれば同時に完了 します。マイナンバー通知カードしかない場合は、他に運転免許証などの顔写真付き身分証明書が必要です。

預貯金口座情報がわかるもの

投資資金を入金・出金するための 預貯金口座も必要 です。入金口座と出金口座は同じでも別でも構いませんが、証券口座と同じ名義のもの以外は指定できません。

ネット証券の中には、グループ会社の銀行や提携銀行を指定することで優遇を受けられるところもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

ネット証券で口座を開設する手順

では、実際の 口座開設の流れ を確認していきましょう。証券会社によって順番が前後する場合もありますが、必要な項目は同じです。

1.メールアドレス登録

証券会社のホームページで「口座開設」ボタンをクリックしましょう。多くのネット証券では、最初に メールアドレスを登録 します。登録後、すぐに確認メールが届きます。

証券会社によって「本登録ページのリンクURL」や「本人確認のためのパスコード」など、メールの記載内容が異なります。いずれの場合もメールの指示に従って、次に進みます。

2.本人確認書類の選択・提出

本人確認書類を郵送する方法もありますが、 ネットで完結する方法を選びます 。「スマホで確認」「スマホで提出」などと書かれているほうへ進みましょう。

※ネット証券会社によっては「口座開設の受付は郵送のみ」というところもあります。PCで手続きを進めていた場合は、画面上に表示されたQRコードでスマホとの連動が可能です。

・「マイナンバー」の登録
マイナンバーカードをスマホのカメラで撮影します。画面に表示されたガイドに合わせて、表面・裏面・厚みを撮影しましょう。

マイナンバー通知カードしかない場合は、「マイナンバー通知カード」と「顔写真付き身分証明書」あるいは「複数の身分証明書類」を同様に撮影します。身分証明書の種類を選択するとガイドが表示されるので安心です。

・本人写真撮影
本人確認のための「自撮り」をします。ガイドに従ってカメラを動かしたり、画面を傾けたりして数回撮影してください。

3.個人情報の入力

氏名・住所・連絡先などの 本人情報を入力 します。

このとき、自分や家族の勤務先情報も登録します。特に、勤務先企業や関連企業(親子会社・グループ会社など)が上場している場合は、その旨を記入する必要があります。これは、インサイダー取引を未然に防ぐために必要な登録です。

4.口座開設完了

すべて入力し送信すると 審査が始まり、通常は1~2営業日ほどかかります 。審査を通過すると「口座開設完了通知」が届き、ログインIDとパスワードが発行されます。

口座開設手続き終了後、すぐにログインIDとパスワードが発行されるところもありますが、審査が終わるまで取引はできません。できるのは初期設定や情報検索のみです。

ネット証券の口座開設Q&A

ネット証券の口座開設で「よくある質問」を紹介します。

Q:証券口座にはどんな種類があるの?

A:証券口座には「NISA口座」や「特定口座」、「一般口座」などがあります。

それぞれについて解説します。

  • NISA口座
    税制優遇が適用される口座です。通常株式の配当金や売買差益などの運用利益には、約20%の税金がかかります。しかしNISA口座には非課税枠(金額・期間)が設定されており、その運用利益には税金がかかりません。ただし1人1口座しか持てないため、他の証券会社ですでに口座を開設している場合は、新たな口座は開設できません。

  • 特定口座
    申告・納税手続きの負担を軽くすることができる口座です。「源泉徴収あり」または「源泉徴収なし」を選びます。

  • 一般口座
    NISA口座や特定口座で管理していない株式を取引する場合は、一般口座を利用します。

Q:「特定口座」の源泉徴収あり・なしって何?

A:「源泉徴収あり」は、自分で確定申告をする必要がありません。「源泉徴収なし」は、自分で確定申告をする必要があります。

基本的に課税対象の運用利益は確定申告が必要ですが、口座の種類によって確定申告のやり方が異なります。

  • 特定口座(源泉徴収あり):自動的に損益の計算と納税が行われるため、確定申告は不要
    ・特定口座(源泉徴収なし):1年間の損益をまとめた取引報告書が発行されるため、それを用いて確定申告を行う
    ・一般口座:自分で課税所得を計算し、確定申告を行う

「特定口座」は「一般口座」に比べて、申告・納税手続きの負担が軽くなります。中でも「特定口座(源泉徴収あり)」は、確定申告が不要です。申告・納税手続きが面倒なら、「特定口座(源泉徴収あり)」を開設するとよいでしょう。

口座の種類は口座開設時に選びますが、その後変更できます。ただし一度でも取引があると、その年が終わるまでは変更できません。

Q:複数の証券口座を持つことは可能?

A:可能です。

NISA口座は1人1口座しか持てません、証券口座は複数の証券会社で開設できます。

まずは気軽に口座を開設して、サイトの使い心地をチェック

初めてネット証券で口座を開設する際は「どのように選べばよいか」「この証券会社でよいのか」など、不安になることもあるでしょう。しかし基本的に口座開設自体は無料なので、実際に金融商品を購入するまで費用はかかりません。公式サイトの見やすさや情報検索のしやすさなどは使う人によって好みが分かれるため、まずは口座を開設してサイトやツールの使い勝手を確認するとよいでしょう。

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>>SBI証券の口座開設はこちら

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高田麗
国内保険会社で生命保険と損害保険の営業を兼務、外資保険会社では顧客相談室を経験。 退職後は、保険についての「わからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険・金融記事の執筆を開始。 関心分野は、保険ジャンル全般(生保・損保・社保)や、生活に密着した金融サービスなど。FP2級技能士。
国内保険会社で生命保険と損害保険の営業を兼務、外資保険会社では顧客相談室を経験。 退職後は、保険についての「わからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険・金融記事の執筆を開始。 関心分野は、保険ジャンル全般(生保・損保・社保)や、生活に密着した金融サービスなど。FP2級技能士。

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