NISAに関する注意点
NISAを使って投資できるのは年間120万円まで。2018年1月1日から2018年12月31日までであれば、120万円を一度に投資することも、分割投資を行うこともできる。2019年1月1日には、新たに120万円の非課税投資枠が与えられる。
投資した金融商品は、いつでも払い出しや売却が可能だ。しかし、売却した分に対応する非課税投資枠は再利用できないので注意しよう。例えば2月に30万円分投資した金融商品を5月に売却したとする。保有している金融商品は0円であっても、この年NISAを利用して投資できるのは残り90万円となる。
また、2018年9月時点では2023年でNISA制度は終了するとされている。新規で投資ができるのは2023年までで、2023年に投資した金融商品に対しては2028年まで非課税となる。
NISAのメリット
NISAのメリットは、もちろん配当金や売却益が非課税となる点だ。例えば50万円で購入した株を80万円で売却したとする。この場合の売却益は30万円だ。NISAではない通常の証券総合口座でこちらを購入・売却した場合、約20%、6万円ほどを税金として納めなくてはならない。約20%の税金はかなり大きな金額となるため、損益を計算する場合は税金も考慮に入れておくことが必要となる。
しかしNISA口座を利用する場合、税金を納める必要はない。そのため損益計算もわかりやすく、利益を出しやすくなるというのは大きなメリットと言える。
NISAのデメリット
NISAのデメリットは、一人一口座しか開設できないという点だ。一般の総合証券口座は複数保有することができるが、NISA口座は一人一口座に限定されている。これは投資枠の120万円をわかりやすくするためでもある。開設する金融機関は1年単位で変更できるが、投資を行った場合、投資枠が残っていても翌年になるまで他の金融機関に変更することができないので、最初の口座開設においては手数料などを調べておくことが重要だ。
また、対象となるのが新規での投資に限定されていることも注意しておきたい。一般的な証券総合口座ですでに保有している株式や投資信託を、NISA口座に移管することはできない。
NISA口座で損益が出た場合、他の口座との損益通算ができないのもデメリットだ。たとえNISA口座で損失を出していて、他の口座で利益が出ていても損益通算ができず、課税対象となる。また、損失の翌年以降への繰り越しもできない。
NISAで取引できる金融商品
NISAで取引ができるのは、国内株をはじめ、外国株、国内ETF、海外ETF、上場投資証券、国内REITなど。非上場株式やMMF・MRF、eワラントなどは対象とならないので注意してほしい。また、個人投資家が多く投資を行っているFXも対象外だ。
対象となる金融商品
株式投資信託
国内株
外国株
国内ETF
海外ETF
ETN(上場投資証券)
国内REIT(J-REIT)
海外REIT
新株予約権付社債(ワラント債)
対象とならない金融商品
非上場株式
預貯金
債券
公社債投資信託
MMF・MRF
eワラント
上場株価指数先物
FX(外国為替証拠金取引)
金・プラチナ など
また、対象となる金融商品をすべて購入できるというわけではなく、口座を開設した金融機関によって購入できる商品が異なる。あらかじめ、口座開設前に取り扱い金融商品を確認しておくことが大切だ。