名前の由来はその特徴的な長い尾。柄杓(ひしゃく)の『柄』のように長い尾を持つから『エナガ』で、『島』は北海道を指しているそうです」
◆夏はスリム、冬はもふもふに変身!
夏と冬で姿が大きく変わるのも特徴のひとつ。
「夏は比較的スリムで、一目でシマエナガとわからないかもしれません。また、羽根の色もくすんだりしていますが、冬になると、まるで綿毛のようにふわふわの身体になります」
よく写真で見るような姿は、シマエナガの「冬のよそおい」だったのです。
「北海道の冬は、日中でも氷点下の真冬日が珍しくありません。そんなとき、シマエナガは羽と羽のあいだに空気をためこみ、層をつくることで、体温を奪われるのを防いでいます。あのまんまるのフォルムは、厳しい冬を乗り越えるためなのです」
多くの人を虜にした、まんまる・もふもふのフォルムにつぶらな瞳と三角形のくちばしというシンプルで可憐な姿には、シマエナガの「生存戦略」が詰まっていたのです。
◆シマエナガはどうすれば見つけられる?
そんな魅力たっぷりのシマエナガ。写真で楽しむのもいいが、一度は目にしてみたい……。そう聞くと、やなぎさわさんはシマエナガを見つけるコツを教えてくれました。
「たとえば、公園を散歩しているときにも会えるかもしれません。
『ジュリリ……ジュリリ……』という独特の鳴き声を発しますので、冬の朝など、雪の積もった静かな公園で耳をすませてみてください。SNSの投稿から場所を探したり、公園でカメラを構えている人のレンズの先に目を向けてみたりするのもおすすめです」
なんと、素人でも「雪の妖精」に会えるのか! そこで、初心者にも行きやすい「シマエナガに会えるスポット」を聞きました。
◆「シマエナガに会えるスポット」3選
(1)円山公園(札幌市)
地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩5分で行ける、札幌を代表する大きな公園です。