返す刀でトランプ次期大統領は、その日のうちに「偉大な州のトルドー知事と食事ができてよかった。関税と貿易の詳細についての話し合いを続けるために、再び会うことを楽しみにしている」とソーシャルメディアに書き込み、「カナダいじめ」を強めた。
カナダ国内ではトランプ次期大統領の発言への怒りは強く、オンタリオ州のフォード首相はトランプ次期大統領が関税の導入に踏み切った場合は「米国へのエネルギー供給を止める」と話している。
トランプ次期大統領のクリスマスの投稿は、「泥仕合」の延長線上で、カナダ側の怒りをあおった。
事実関係あいまい 通行料下げなければ「パナマ運河返せ」
パナマ運河については、中南米での影響力を強める中国と絡めて投稿した。
「愛情を込めて、しかし違法にパナマ運河を運営している素晴らしい中国の兵士も含めてメリークリスマス」
110年前のパナマ運河の建設で3万8000人の米国人の命が失われたと言及し、パナマ政府に運河の返還を求めた。
パナマ運河についてトランプ次期大統領は、12月22日にアリゾナ州で開かれた保守派の会議で、パナマがパナマ運河を利用する米国の船舶に「非常に不公平な」通行料を課していると発言し、通行料の引き下げがなければパナマ運河の米国への返還をパナマ政府に迫った。
米国は20世紀初頭、コロンビアからの独立をめざすパナマを支援するためパナマ運河を建設した。1914年に完成して以降、運河の管理権を握っていたが、運河はカーター政権時代の合意に基づいて1999年にパナマに返還された。
中南米ではこの10年ほどで、中国の経済的影響力が急拡大した。長く台湾と外国関係を維持してきたパナマは、2017年6月に台湾と断交し中国と外交関係を樹立した。パナマ運河の一部の港湾は現在、香港系企業が管理している。
パナマ運河の「一番の利用客」は米国であり、こうした状況にトランプ次期大統領は業を煮やしている。