20歳から45歳になった今までずっと専業主婦でした。老後は夫の年金に加えて「月10万円」ほど欲しいのですが、今からパートで働けば受け取れるでしょうか?
老齢年金には、国民年金を納めた期間に応じて受け取れる老齢基礎年金と、会社で働いた期間や収入によって決まる老齢厚生年金があります。老後の年金額を増やす手段として、専業主婦だった方が働き始めるのは有効な手段でしょう。   今回は、専業主婦だった方が45歳から働き始めた場合に、年金を月10万円受け取れる収入の目安や、年金額を増やす方法、年金以外の資金作りの重要性などについてご紹介します。

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45歳からパートで働いて年金を月10万円受け取れる?

まずは、以下の条件を基に、年金を月10万円受け取れる収入の目安を計算しましょう。
 

・国民年金は満額納めている
・老齢基礎年金額は令和6年度を採用
・厚生年金に加入したのは平成15年4月以降
・加入期間は45~65歳の20年間
・報酬比例部分を老齢厚生年金額とする

 
月10万円の年金を得るための収入を調べるには、まず老齢基礎年金額を引く必要があります。日本年金機構によると、老齢基礎年金(満額)は令和6年度で月額6万8000円なので、老齢厚生年金で月に3万2000円を受給できれば、年金を月10万円受給できる計算です。
 
同じく日本年金機構によれば、老齢厚生年金の基本的な受給額は「平均標準報酬額×0.005481×加入月数」で求められます。平均標準報酬額は、加入期間中の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、加入月数で割った数値です。また、標準報酬月額は月収、標準賞与額はボーナスを基に決められます。
 
つまり、平均標準報酬額が分かれば、必要な年金を受け取れるおおよその収入目安が分かります。
 
今回のケースだと月3万2000円、年38万4000円の年金を老齢厚生年金で受け取るため、計算式は「38万4000円=平均標準報酬額×0.005481×240ヶ月(20年間)」です。求めると、平均標準報酬額は約29万1918円、年換算で約350万3016円が、年金を月に10万円受け取れる収入の目安になります。
 
しかし、パートで働くとなると月収約30万円は現実的には難しいといえるでしょう。年金額を増やしたいときは、働く以外の手段も選ぶ必要があります。
 

少しでも年金額を増やす方法