イーサリアムの将来性と今後の懸念事項:価格変動要因と代替技術の台頭

2018年9月時点では価格下落が止まらないイーサリアム。開発者のヴィタリック・ブテリン氏が「仮想通貨は1,000倍も成長しないだろう」と述べるなど、今後の価格上昇に否定的な見解を示したことなどが影響と考えられるが、今後の価格変動については予測が難しい状況と言える。

ハードフォークは有力な価格上昇要因

イーサリアムは開発途上のプロジェクトである。ロードマップでは計4段階のハードフォークアップデートが予定されており、そのうちフロンティア・ホームステッド・メトロポリス第1期のビザンティウムは終了済みで、各ハードフォーク後には価格が高騰した。

今後、メトロポリス第2期のコンスタンティノープル、最終段階のキャスパーが予定されている。とりわけ、キャスパーでは、現在のマイニング方式であるPoW(プルーフオブワーク)からPoS(プルーフオブステーク)への移行が予定されており、これによって節電とブロック作成時間の短縮化が実現されるため、スケーラビリティ問題の改善が期待される。コンスタンティノープルではプラットフォームの安定性の強化やマイニング報酬の低減の他、キャスパーに先駆けてPoSへのスムーズな移行を実現するためのプロトコルアップデートも実施される。

予定されたハードフォークがすべて実施されると、イーサリアムプロジェクトは完成する。これによってイーサリアムの価値が上昇し、それにともなって価格も高騰する可能性はあるだろう。

非イーサリアムベースのブロックチェーンに注目 イーサリアムの相対的価値を左右

イーサリアムの規格であるERC20は、これまでICO市場における標準規格とも呼べる位置付けであった。イーサリアム以外にも、VeChain・OmiseGO・AugurといったERC20規格に則った仮想通貨が上場後も時価総額上位にランクインしており、2018年9月時点のICO市場ではイーサリアムベースのプラットフォームには優位性がある。

一方で、Stellar・Omni・NEO・Wavesなどのように、ERC20規格とは異なるブロックチェーン技術を採用したトークンも複数上場を果たしている。こうした非イーサリアムベースのブロックチェーンが今後増大すれば相対的にイーサリアムの優位性が下がり、価格上昇を抑制する要因にもなり得る。

将来性と価格変動の見極めには、多角的視点での監視が必要

イーサリアムは今後もハードフォークを控えている上に、発行上限が設けられる可能性もある。これによって仮想通貨市場でのイーサリアムの価値上昇にも期待が持てる。しかし、仮想通貨の技術は発展途上であり、市場自体も未成熟だ。技術革新によってより安全性が高く処理能力の高いプラットフォームが登場したり、各国での規制や環境整備が進んだりすることで、価格が大幅に変動するリスクがあることを忘れてはならない。

投資家は仮想通貨の価格に一喜一憂するのではなく、仮想通貨を取り巻くさまざまニュースにアンテナを張りながら、イーサリアムをはじめとする仮想通貨の価格変動リスクを見越した投資を心掛ける必要がある。

文・ZUU online編集部/ZUU online

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