これまで盗撮や盗聴など手段を選ばず「D組を変える」という目的を達成しようとしてきた九条が、新章で行ったのは真正面からの対話だった。このスタイルチェンジに関して、筆者はひとつの仮説を打ち出してみたい。それは「九条は鵜久森を死にいたらしめた犯人に気づいている」という説だ。九条がしきりに口にしていた「理由を知りたい」という言葉。普通に考えるなら、理由よりまずは「犯人を見つけ出したい」と考えるのが自然ではないだろうか。にもかかわらず、理由の究明に主眼を置いているということは、すでに犯人に目星がついている可能性がある。また、鵜久森の遺体の第一発見者である九条が、犯人につながる“証拠”を手にした可能性もある。第6話は地面に横たわる鵜久森を発見し、悲しみに打ちひしがれる九条の姿で終わったが、第7話は鵜久森の死から3日後から始まった。そう、その間が描かれていないのだ。
一方で、3年D組内での犯人捜しは加速するに違いない。第7話のラストでは、星崎透(奥平大兼)が鵜久森転落の日に校内を撮影しており、D組のリーダー格である相楽琉偉(加藤清史郎)の指示に従って波乱を巻き起こしている浜岡修吾(青木柚)が、生徒でもないのに鳳来高校の制服を着て登校している様子が映っていた。これで相楽・浜岡が犯人である可能性が高まったものの、それだけの重要情報をピンポイントで撮影できた星崎も怪しく見えるのは筆者だけだろうか。しかもこの情報を九条ではなく、同級生の東風谷葵(當真あみ)に真っ先に見せた点も違和感がある。九条の「人生2周目」説を唱えるなど妙に目ざとい星崎は一体何者なのか。
第8話は相楽や星崎がキー人物となりそうだ。さらなる急展開が訪れそうな第8話、今夜の放送も見逃せない。
■番組情報
土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
日本テレビ系毎週土曜22時~
出演:松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、福崎那由他、田牧そら、山下幸輝、寺本莉緒、萩原護、詩羽、田中美久(HKT48)、浅野竣哉、丈太郎、柿原りんか、橘優輝、莉子、田鍋梨々花、夏生大湖、藤嶋花音、岩瀬洋志、阪本颯希、岡井みおん、藤﨑ゆみあ、のせりん、細田善彦、長井短、サーヤ(ラランド)、犬飼貴丈、荒川良々、松下洸平
脚本:ツバキマサタカ
音楽:松本晃彦
主題歌:菅田将暉「ユアーズ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
演出:鈴木勇馬、二宮崇
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:福井雄太、鈴木努、秋元孝之
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
公式サイト:ntv.co.jp/saikyo