近藤亜樹《ザ・オーケストラ》2024年 ©The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影:武藤滋生


「水戸芸術館現代美術ギャラリー」では、「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」展を、2月15日(土)から開催する。

幅9メートル超の新作絵画「ザ・オーケストラ」の展示もあり、「生きること」と「描くこと」が切り開く世界に迫る。

躍動感溢れる筆遣いと力強い色彩の作品

今回の展示会は、躍動感溢れる筆遣いと力強い色彩の絵画で知られる近藤亜樹氏の個展。

Courtesy of ShugoArts. Photo by Kohei Shikama


近藤氏は、東日本大震災の余波に人々の心が揺らぐ2012年に画家としてデビュー。

2012年サンフランシスコ・アジア美術館での企画展「PHANTOMS OF ASIA: Contemporary Awakens the Past」に10メートルを超える大作絵画「山の神様」を出展。以後、描くことで現実に向き合う自らの創作を探求し、2015年には約14,000枚の油彩と実写を組み合わせた鎮魂の映画「HIKARI」を発表するなど、絵画表現の可能性を拡げてきた。2020年から山形県を拠点に活動している。

主な展覧会は、「わたしはあなたに会いたかった」(個展、シュウゴアーツ、2023年)、国際芸術祭「あいち2022」(2022年)、「星、光る」(個展、山形美術館、2021年)、「高松市美術館コレクション+身体とムービング」(高松市美術館、2020年)、「絵画の現在」(府中市美術館、2018年) など。受賞歴に、2022年VOCA 奨励賞、2023年絹谷幸二芸術賞などがある。

《I Love You》2023年 OKETA COLLECTION蔵 ©The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影:武藤滋生


同氏は自身の作品にて、日常の事物や記憶に残る人々の面影、植物、幼子の言葉といったプライベートなモチーフから生と死や超越的な自然の力といったテーマまでを自身のなかに受け止め、それらを描くことで異なる者同士が「いま・ここ」につながり合う世界を展望してきた。