50代で「年収600万円」。年収の壁が「103万→178万円」になると、会社員の手取りにも影響がある? パート勤務の妻・大学生の息子がいるケースで解説
2024年10月の衆議院選以降、「103万円の壁」が「178万円」に引き上げられると話題になっています。実際に壁が引き上げられて、妻や大学生の子どもが103万円以上収入を得るようになったら、世帯全体での手取りはどのように変化するのでしょうか。   本記事では、103万円の壁についておさらいしつつ、壁が引き上げられ、妻と子どもの収入が増えた場合の手取りへの影響について解説します。

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「103万円の壁」とは?

「103万円の壁」は、パートやアルバイト収入に所得税がかからない基準となる収入額のことです。103万円は「基礎控除48万円」と「給与所得控除55万円」を合わせた額です。基礎控除と給与所得控除は税法上、次のような位置付けです。
 

・基礎控除:最低限生活していくための必要経費として収入から差し引ける額
・給与所得控除:会社などで働く際に必要となるスーツや通信費などを、必要経費とみなして給与から差し引ける額

 
また、配偶者の給与収入が103万円を超えない場合、「配偶者控除」という仕組みで、夫婦のもう一方の所得税が軽減されます。配偶者控除は、配偶者の収入が一定の金額内の場合、もう一方の所得税を軽減できる制度です。
 
このほか16歳以上の扶養親族(子など)がいる場合は、扶養控除38万円が受けられます。扶養する子どもが19歳以上23歳未満の場合は特定扶養控除と呼ばれ、控除額が63万円に増額します。この控除を受けられる扶養親族の収入の上限も、これまで103万円でした。
 

「178万円の壁」への引き上げ

現在、これまで所得税が発生する収入ラインだった103万円を、178万円を目指して引き上げることで自民党、公明党、国民民主党の3党が合意しています。配偶者や扶養親族の収入が178万円までであれば、配偶者控除や扶養控除が適用されるため、扶養を外れることを心配せずにより多く働けます。
 
また、扶養とは関係なく、収入を103万円以上得ている会社員にとっても、基礎控除等の引き上げは所得税や住民税の減税につながります。
 

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