テレビ界で久しく言われる新陳代謝の悪さ。現在は中居正広、松本人志の去就に注目があつまるが、長らくビートたけし、明石家さんま、タモリの“BIG3”が80年代からトップに君臨し、一世代下のダウンタウン、ウッチャンナンチャンもテレビに出続けて約40年だ。そこでテレビマンがようやく重い腰を上げ、緩やかながら肩叩きが始まったのがここ数年のこと。おなじみの顔が少しずつ姿を消しつつある。

「近年の芸能界の大事件は、ビートたけしとタモリが芸能人生の終活を始めたことです。たけしは2022年に『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)を降板。視聴率は全く問題ありませんでしたが、“生放送はしんどい”と述べ、着実にレギュラー番組を減らしています。一方のタモリも、ライフワークの『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)が2023年に終了。『ミュージックステーション』(同)も今や放送は隔週ペースで、姿を目にする機会がめっきり減りました」(テレビ情報誌記者)

 たけしは1月18日に78歳の誕生日を迎え、タモリは今夏に80才。タモリは4月から『ブラタモリ』(NHK)が復活するが、番組の性質を考えると、毎週放送されることは考えにくい。振り返れば、2024年は多くのベテランが静かに去った年だった。

「2024年のテレビ界の大きなトピックは、草野仁が司会を務めた『世界・ふしぎ発見!』(TBS系)の終了です。『ふしぎ発見』は今では数少ない一社提供の番組で、潤沢な制作費で贅沢な番組作りを実現。民放の良心のような番組でしたが、38年続いた番組は3月で終了しました。

 同じく3月には、関口宏が『サンデーモーニング』(TBS系)を卒業して地上波レギュラーはゼロに。9月には神田正輝が『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)を卒業し、事実上引退。着実に世代交代は進んでいます」(同上)

長寿番組の行方と新陳代謝