今年は昭和100年だそうだ。昭和の臭いを漂わせた男たちが消えていく。
新潮のトランプの第一次政権で大統領補佐官を務めたジョン・ボルトンインタビューを読んでみた。
トランプが「辞書の中で最も美しい言葉」といっている「大規模な関税」について。
「大規模な関税を課すことで莫大な歳入が得られ、アメリカに雇用が戻ると信じているのでしょう。
トランプ氏が理解していないのは、輸入品に関税がかけられると、最終的にそのコストを負担するのはアメリカの消費者であるという点です。さらに、関税を課された国々から全面的な報復を受けるリスクもあり、貿易全体が不安定化する可能性があります。こうした負の影響をまったく考慮していないのです。
もっともトランプ氏のことなので、アメリカの対中政策が実際どう進展するかは予測できません」
ウクライナ戦争については。
「ウクライナ戦争については、トランプ氏は戦争をどう終結させるべきか、具体的な計画を全く持っていないと思います。ゼレンスキー大統領とプーチン大統領を同じ部屋に集め、24時間以内に合意を結ばせると言っていますが、これは極めて非現実的な提案です。(中略)ロシアは米主導の停戦交渉に応じるかもしれませんが、恐らく現在の支配線に沿って紛争を凍結し、新たな国境線を引くことを望んでいるでしょう。これはウクライナにとって最悪の事態となります。もしトランプ氏の思惑通り、今すぐ停戦宣言をさせて交渉を開始すれば、事実上ロシアの勝利になります。それはプーチン氏の正当性を証明することにもつながります」
では、日本はどう付き合えばいいのか。
「日本の岸田文雄首相も、在任中に防衛予算を5年間でGDPの1%から2%に倍増させると約束しました。実質的には円換算で2倍以上の増加になりますが、石破政権ではさらなる増額を迫られることになるでしょう。したがって『2%さえ達成すれば大丈夫だ』という考え方は的外れです。特にウクライナの緊迫した状況を背景に、NATOの安定とアメリカのヨーロッパへの関与を巡る真の危機がトランプ第二次政権で生じると考えます」