公正取引委員会が2020年に実施したアンケート調査によると、全国のコンビニ1万2093店舗からの回答を集計した結果、1日のおにぎりの仕入れ数は平均で1店舗あたり198.6個、そのうち廃棄されたのは18.9個で、金額にして約3400円分に上ることが分かりました。
 
同様に、弁当の仕入れ数は1日平均39.0個で、廃棄されたのは5.2個、約3200円分でした。コンビニ加盟店の年間廃棄ロス額は、1店舗あたり468万円(中央値)となります。
 

「3分の1ルール」が生む食品ロスの現実

「3分の1ルール」とは、食品メーカーや卸売業者と、スーパーや百貨店などの小売店との間で定められている取引慣習の一つです。このルールでは、食品が製造されてから賞味期限を迎えるまでの期間を3つに分け、その最初の3分の1の期間内に小売店へ納品することが求められます。
 
例えば、製造日から賞味期限までの期間が6ヶ月の商品では、最初の2ヶ月以内に卸業者が小売店に納品しなければなりません。この期間を過ぎてしまうと、たとえ賞味期限まで十分な日数が残っていたとしても、商品は小売店に受け入れられないか、卸業者を通じて食品メーカーへ返品されるケースが多いのです。
 
返品された食品の一部はディスカウントストアで販売されることもありますが、多くは廃棄されてしまいます。
 

食品ロス「ゼロ」へ挑む未来のコンビニ

大手コンビニでは、2050年までに食品ロスの75~100%をそれぞれが目指しています。
 
例えば、商品のラインアップには冷凍食品が多く含まれ、実験的な商品も取り扱っています。ある店舗では、おにぎりで実証実験を行っており調理パンなどカテゴリーの拡大も検討しているそうです。
 
通常、調理パンの消費期限は短いですが、冷凍にすることで賞味期限の延長が可能となり、廃棄の削減に大きく貢献できるでしょう。
 

コンビニの食品ロス減少の取り組みに注目しよう