ネット右翼アイコンの両雄、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏と、元総務大臣政務官の杉田水脈氏は共に、ベトナム戦争に派遣された韓国軍がベトナム人女性を慰安婦にする慰安所を設けたと事あるごとに主張してきた。慰安婦問題をいつまでも主張する韓国に対し、「お前たちも同じことをやっているではないか」と反論するのが狙いだ。

 当時、ワシントン支局長だった山口氏は2015年3月、『週刊文春』(15年4月2日号)にベトナム戦争中に韓国軍がサイゴン(現在のホーチミン市)に「慰安所」を設けていたとするスクープ記事を掲載した。記事は米国内で発見した公文書に「韓国軍による兵士のための慰安所」の存在が明示されていたとする内容で、元海兵隊幹部の証言も盛り込み文書を裏付けた。見事なスクープ記事ではあったが、山口氏はワシントン支局長を解任され退社に追い込まれる。

 一方の杉田代議士は2015年10月、ベトナムのサイゴンを訪問し、韓国軍の「慰安所」を調査した。杉田氏は米国文書に記載されている韓国軍が運営していた慰安所跡を探し当てたことを自身のブログにアップした。

 韓国は朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代の1964年から米軍が撤退する73年までベトナム戦争に参戦し、延べ約32万人の兵士を派兵した。山口氏と杉田氏はサイゴンにあった韓国軍の慰安所問題を前面に出すことで、日本に対し慰安婦問題を事あるごとに蒸し返す韓国側を牽制した。