◆“フェア”な俳優
視聴者の想像を掻き立て、最後の最後まで正体を隠し続けた安藤は、ドラマタイトル通り、アンフェアな存在だが、この大役を演じきった瑛太は清々しく映った。俳優としてはフェアな人ではないか。
俳優としてフェアと言うのは、演じる役柄に対して忠実で、役柄そのものを生きようとする姿勢のことだ。それでいて演じ込みすぎるわけでもなく、どこか飄々とした瑛太自身の表情が時折覗きもする。このあたりの塩梅がうまい。
放送時の瑛太は24歳だから驚く。あまりにも軽妙で名人の域に入っている。同作までに主演作品に恵まれていた彼が俳優人生をフェアに生きていた証だろう。
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