都会から田舎へ移住し、第二の人生を紡ぐ。昨今、若い方の移住組も目立ちますが、『過疎の山里にいる普通なのに普通じゃない すごい90代』(すばる舎)の著者、池谷啓さんは1953年生まれ。都会暮らし40年に限界を感じて、田舎暮らしを実践しはじめます。

◆都会から田舎へ、人生の仕切りなおし

 静岡県浜松市天竜区に位置する春野町は、人口が3500人ほどで東京23区の4割もの広さです。清流があり、森があり、空気は澄んでいて星空がきれいな土地。都会にない自然がある代わりに、都会では普通の便利さがありません。交通、医療施設、商業施設などの規模は別次元で、さらに過疎高齢化が著しく、ここ10年で人口減少率は3割近いといいます。

 そうなると80代、90代でも自立して生活しなくてはならないのですが、都会人の心配をよそに、春野町の高齢者はとにかくすごいのです。私達から見る「すごい」を当然のごとくやってしまう90代の方々を、ここで紹介していきますね。