にしおか:生活費を稼ぎたかったのと。好きなことがしたかったのと。家でできる仕事があるといいなと思ったこと。たくさんの方々に読んで笑っていただきたいと思ったことです。母と生活する中で、頭と体が両方元気な状態を維持できているって、本当はなかなかの奇跡なのかなと思って。私は、今、両方元気だから、好きなことを今やろうと思いました。
私は劣等感のかたまりなんです。いつも「わたしなんか」とか「才能もないくせに」と思ってしまいます。でもそんなこと言ってたら、人生終わってしまう。一旦、その気持ちは置いておいて、やりたいことがあるなら、まず口に出そうと思いました。そもそも、これまで生きてきた中で、やりたいこと、好きなことが何もなかったり、何をしていいのかわからないときも山ほどありました(笑)。これからもあると思います。だから好きなことがあるというときは、とてもラッキーな気がします。
◆要介護認定を受けていなかったワケ
――本書発売前後のとき、お母さまが要介護認定を受けていないことが話題になりましたが、この反響はどのように受け止めましたか?(※2024年11月現在、要介護認定「要介護1」を取得済みとのこと)
にしおか:ご意見、お気遣い、ご感想ありがとうございます。ありがたいです。私、実家に戻って4年もグズグズしていました。友人や先輩方、地域包括支援センターの方々にも相談させていただきながら、どうするのが私と家族にとって最善なのかなあと。母と姉は最後まで家にいたい人たちなんです。唯一の願いでして。なるべく私も叶えてあげたいです。
で、例えば要介護認定を取ったとして、母がデイサービスを利用したとします。そうすると姉が家に残ります。私は母の代わりはできませんし、やりません。働きにも出ます。となると、姉を施設にお願いするとします。一番家にいたい母と姉がバラバラになって、家にいてもいなくてもいい私が残ります。いったい誰の幸せの為に要介護認定を取ろうとしているのか? と思ってしまいます。他にも例えば、お風呂介助のサービス。母が自分で言うのですが、「ママはお風呂に入れない人じゃない、入りたくない人だ」って。清々し過ぎて腹が立ちます(笑)。