本格的に裁判が始まれば、文春の初っ端の記事(12月27日発売号)で告白したA子が、法廷で証言することになるが、彼女の気持ちには何ら変わりがないようである。
「自宅を特定され、夜中に窓から誰かが入ってくるのではないか。家を出たら、突然何者かに襲われるんじゃないか。そんな気持ちに苛まれ、枕元に護身用のナイフを置いておかなければ、安心して眠れない夜が幾度となくありました」
「そもそも私は文春からお金を貰ったことは一度もないし、今後も一円たりとも貰うつもりはありません。また、誰かに頼まれて“告発”したわけでもなく、すべて自分の意思で行動しています。
にもかかわらず、SNS上では“黒幕”の存在を示唆するような陰謀論が散見され、私の身元を特定して晒し上げようとする不穏な動きまであります」
「それでもくじけることなくここまでやってこられたのは、ひとえに家族や友人たちの支えがあってこそ。また、私と同じような仕打ちを受けた女性が、文春の誌面で続々と証言してくれたことも心強かった。そして、何より、性的行為を強いられた女性が泣き寝入りせざるを得ない社会を少しでも変えたいからです」
「親や友人などに相談するうちに、私の切実な思いはどんどん膨れ上がり、被害を公にしなければ、更なる被害者が増え続けてしまう――。そんなふうに思うようになったのです。
とはいえ、どのようにして松本さんから受けた仕打ちを公表すればいいのかわかりません。警察に行ったところで証拠もないため、どうせ取り合ってもらえないだろう。過去に受けた痴漢被害の時ですら、まともに話を聞いてもらえなかったため、警察に行くことは、端から諦めていました。
正直に言えば、最初は文春のことも信じられませんでした。編集長や記者の方がダウンタウンの大ファンだったらどうしよう。文藝春秋と吉本興業が裏で繋がっていたらどうしよう。様々な不安が交錯し、なかなか腹を括ることができなかったのです。(中略)
松本さんが仰る“真実”とは一体どんなものでしょうか。あの日、私が松本さんから受けた性的被害はすべて事実。うそ偽りは一つもありません。女性が声を上げやすい社会にするためには、裁判所から要請があれば、私は何度でも証言に立つつもりでいます。
ですから、松本さんも、本当の“真実”を証言台でお話し下さい。心からお願い申し上げます」
松本人志は、手強い女性を敵に回してしまったようである。
もう一度、みんなを笑わせたいという“願い”は叶わないかもしれない。