さて、3月28日に火ぶたを切った松本人志の性加害問題をめぐる裁判だが、どうも、松本側の弁護士のやり方が評判が悪い。

 訴状で松本側は文春記事に登場する「A子」「B子」の特定を要求したのである。当然、文春側は回答を避け、全面的に争う姿勢を示した。

 日刊ゲンダイDIGITAL(3月29日付)で「文春側弁護士も呆れた…松本人志『事実無根』主張なのに『被害者個人情報開示』要求の矛盾」を掲載している。

――「松本サイドは『A子さん、B子さんが特定できないと認否のしようがない』と主張し、A子さん、B子さんの氏名(芸名含む)、住所、生年月日、携帯電話の番号、LINEのアカウントを明かし、容姿がわかる写真まで用意するように要求しています。

 これに対して文春サイドの喜田村洋一弁護士が会見で“47年、弁護士やっててこんなことは初めて”と呆れていたように、本人が記事に書かれたようなこと(性加害)を一回もやったことがないなら、全否認でいい。2人以外にも複数の女性に対して同様の行為を行っていて、誰だかわからないという場合においてなら個人の特定に意味はありますが、少なくとも記事に書かれたことについて事実無根と主張しているのですから特定する必然性はありません。個人情報の開示要求は嫌がらせに近いものを感じます」(司法担当記者)――

 東京新聞の望月衣塑子が松本サイドの要求はセカンドレイプだとXのポストでこういっている。

《田代(註 政弘)弁護士が、2人の名前(芸名などがあれば、その名称)、生年月日、携帯番号、LINEアカウントのみならず、2人の容姿・容貌がわかる写真の提出まで求めていることには、心底のけぞった。
田代弁護士の対応は、性被害を訴える女性に対してのセカンドレイプともいえる。訴訟対応を初めから間違えてしまってはいまいか。》

 それに、裁判直前に松本人志が呟いたポストも批判にさらされている。

《人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、/何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、/自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。/世間に真実が伝わり、一日も早く、/お笑いがしたいです。》

 自らが会見を開き事実無根だと主張したならわかるが、無言を通しているのに、「自分の主張が受け入れられないのは不条理」とはなんのこっちゃ。

 グローブを交わした途端、松本のグローブの紐がほどけてしまったようだ。