◆医師の倫理観として、あってはならないと思います
――小学生をターゲットにした美容整形の広告について、率直にどう思われますか?
上原恵理先生(以下、上原)「広告って、利益を生むために人を利用しているわけですよね? その対象に小学生を利用するというのは、医師の倫理観として、あってはならないと思います」
――上原先生には、中学2年生の娘さんがいらっしゃいます。医師として、また母として思うところもあるのでは?
上原「子どもを対象にした整形について、私自身3つの観点から考えます。1つは自分自身が子どもだった頃、どういう精神状態だったかを振り返る。2つ目は、娘が産まれたときからずっと心の成長、体の成長を見てきているので、親の視点から考える。そして3つ目は医師としての立場です。
人間はだいたい15歳くらいで大人と近い肉体に成長しますが、それまではまだまだ成長途中。人間の体として出来上がっていない状態なので、そこに医学的な手を加えることは、かなりの正当性がないと許されることではないと思います。
これら3つの観点から見て、まだティーンですらない小学生に美容整形が行われるのはおかしいと思っています」
【こちらの記事も読まれています】