基本的には、ざまぁ見ろと思いながら見てたんだなと今さら気づいてしまいましたドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)も最終話。

 きれいで優しい妻・ミワさん(松本若菜)にあらん限りのモラハラを繰り広げていたヒロキ(田中圭)が、その妻に不倫されたらざまぁ見ろ。不倫に逃げて不本意な子どもができた妻にもざまぁ見ろ。ピュアボーイ気取りでアフリカに学校作るとかキラキラな夢を語りつつ人妻を寝取って死んだ冬月(深澤辰哉)もざまぁ見ろ。マコト(恒松祐里)とリサ(さとうほなみ)はがんばれ、もっとやれ。マスター(沢村一樹)もきれいごとばっか言ってんじゃないよ。そんな気分で見ていたから楽しかったし、そうでも思わなきゃ、みんな状況が不可避すぎて、かわいそすぎて見てらんないというドラマでもありました。

 最終回、みんながいい感じのところに着地して、なんだかむずむずしております。振り返りましょう。

ごほうびのように、贖罪のように

 ヒロキの画策によって動物園に呼び出されたミワ&栞親子と冬月くん。ヒロキはミワに、「栞の本当の父親である冬月と暮らす」という選択肢を提案し、3人はお試しデートをすることになりました。

 栞ちゃんにとっては初めての動物園。もちろん記憶に残るようなことはありませんが、冬月はミワと栞ちゃんにカメラを向けて写真を撮ります。

 ハイチーズ、と言われても、うまく笑えないミワさん。冬月も、この3人で暮らしていくことはどうやら無理だと気づき始めます。

 デートが終わり、最後に栞ちゃんを抱かせてほしいという冬月。自分の遺伝子を継ぐ赤子を胸にミワさんに尋ねます。

「この子は、俺の子?」

 ミワさんに、結論を出すときが訪れました。“托卵”という許されざる選択をしたミワさんは、ゆっくりと顔を上げると「違うよ、栞は、わたしの子」と答えるのでした。

 栞とは二度と会わないという決意をしたヒロキは、その内容の離婚協議書を整え、離婚届を持ってミワさんと栞が暮らすマンションを訪れます。たった半年だったけれど、確かに3人は家族でした。離婚届を書き終えると、ヒロキは奥の寝室でぐずっている栞の顔を見ることもなくマンションを去っていきます。