物語の良さはさんざん過去回のレビューで書いてきましたが、その実写化作品としてひとつの成功例を見た気がします。フジテレビが、月9で、総力を挙げてこれを作ってきた。これはドラマの世界を牽引する者としての自覚とプライドのなせる業だったと思います。

 もちろん、原作に忠実に、作為を加えず、ただ演出に注力するという今回のやり方が、必ずしも正解というわけではありません。むしろ、予算や演出力そのものの問題で失敗に終わる確率の方が高いスキームでしょう。

 でも、やられちゃったもんな。多くのドラマ関係者にとって、逃げ道を断ってくる残酷な作品でもあったと思います。やっぱ、大御所は怖いや。

(文=どらまっ子AKIちゃん)