「実力は誰もが知るところの令和ロマン、ヤーレンズ、真空ジェシカの3組はもはや盤石。キワモノ的に見られがちなトム・ブラウンも予選から爆発的にウケていますし、幅広い層にウケるネタを持っているママタルトも強い。そしてラストイヤーで初進出となるダイタクは、とにかく漫才が上手すぎて感嘆してしまうほど。
世間的な知名度はまだまだのジョックロック、エバース、バッテリィズですが、いずれもネタのクオリティは文句なしですし、それぞれ個性も持ち合わせています。今年の決勝進出者たちは、いずれも確実にウケそうなコンビばかりでかなり期待できると思います。
なかでも個人的に注目しているのは、エバースです。ちょっとした事柄に対して、ほのかにズレた解釈をしながら展開されるしゃべくりが心地いい。飄々としたボケとイラついたツッコミのバランスも素敵です。ジョックロックもいわゆる“漫才コント”の構成ですが、特徴的なツッコミで笑いが増幅していくタイプで、ハマったときの爆発力はすごい。決勝戦の場を掌握することもあると思います。
そしてダイタクの決勝進出もうれしいですね。双子コンビならではの要素もありつつ、とにかくネタの運びが完璧。どの劇場に立っても確実に笑いを取る、あの名人芸をM-1決勝戦で見られるのは楽しみです。たくさん面白いネタがある中で、どのネタを披露してくれるかという点も気になります。
今年はとにかく誰が優勝してもおかしくない決勝戦のメンバーになったと思います。そういう意味では審査は本当に難しくなりそうです」
ダントツの優勝ならネットが荒れることもないが、優勝賞金1000万円を手にするのは誰か。
(取材・文=木村之男)