残念なのは視聴者も同じです。M-1では例年“疑惑の採点”が物議を醸しますが、松本の採点は妙なサプライズがないので、これを指針にしている視聴者は多いはず。審査員の中には、自分の好みに合わないだけで低い点を付けたり、“えこひいき”のような大甘採点をする人もいるので、採点に一本筋が通った松本が審査員席にいないのは、見る側もガッカリでは」(お笑いライター)

 繰り返しになるが、松本が大舞台に現れる可能性はほぼゼロだ。5日には決勝に進出する9組のコンビが決まったが、彼らは回避不能なアクシデントに晒されるかもしれない。

「実は松本は2004年と2015年にもM-1の審査員から外れています。2004年は、裏(番組)で浜田雅功がMCの『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)の特番があったから、2015年は大会が5年ぶりの開催で、新機軸として歴代のM-1チャンピオンが審査員を務めたからと、それぞれ理由がありましたが、今年は早くから松本の出演の可否が大きな話題になってしまい、結局不在となりましたから、今年の優勝コンビは、“松本人志は認めていないチャンピオン”と言われる可能性があります。それくらい松本の影響力は大きいのです。

 また、絶対的な評価軸が消えることで、審査結果を巡ってネットが荒れることも予想されます。M-1の審査員は猛烈なプレッシャーがあるため、以前から多くの大物芸人が『しんどい』『やりたくない』と漏らしており、今年の9名はより一層プレッシャーが強まる。そのうち、審査員が集まらないという理由で大会ができなくなるかもしれません」(同上)

松本不在でジャッジされる「注目のコンビ」

 それでも22日には新たなチャンピオンが誕生する。決勝戦に駒を進めたのは、昨年優勝の令和ロマン、昨年準優勝のヤーレンズ、4年連続の決勝進出となる真空ジェシカ、2018年以来2度目の決勝進出となったラストイヤーのトム・ブラウン、そして決勝初進出のママタルト、ジョックロック、エバース、ダイタク、バッテリィズの9組だ。ここに敗者復活戦を勝ち上がった1組を加えた10組で争われる。注目のコンビについて、エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。