「最下位取っちゃって、まーちゃんごめんね」

 2日に放送された『芸人シンパイニュース』(テレビ朝日系)で、ママタルト・大鶴肥満は“恩人”マルシアと念願の初対面を果たしていた。

 昨年の『M-1グランプリ』(同)は、前年王者・令和ロマンのドラマチックな連覇で幕を閉じた。2位となったバッテリィズはエースというニュースターの存在をこの国に知らしめ、3位の真空ジェシカも4年連続4回目のファイナルで初の最終決戦に進出し、その実力を示している。

 1位がいれば、10位もいる。今回の『M-1』で最下位となったのはママタルト。190kgを超える巨躯で縦横無尽にステージを駆け回る大鶴肥満に、神戸大学出身のインテリである檜原洋平が長フレーズでツッコむスタイルの漫才は多幸感にあふれ、東京のライブシーンでスベっている姿など、ほとんど記憶にないコンビだ。

 史上最多の1万330組がエントリーした『M-1』で選び抜かれたファイナリスト10組。上位0.1%に満たない上澄みである。それでも、全国放送での最下位という結果にはネガティブなイメージが付きまとう。

 多くの芸人が言う。

「8位や9位なら最下位がいい。ネタにできるから」

 すでに『水曜日のダウンタウン』(TBS系)など多数のバラエティに出演し、テレビ朝日では『研修テレビ!!』というレギュラー番組も持っていたママタルトだけに、今回の最下位という結果もトークの“武器”として使いこなしていくに違いない。

 過去20回開催されている『M-1』では、延べ20組の最下位コンビが生まれている。今回は、『M-1』で最下位を取った後に活躍を見せているコンビをピックアップしてみたい。

2001年大会 おぎやはぎ

第1回大会に登場したおぎやはぎ。第1回大会では地方会場でモニター観覧している一般審査員の投票も反映されるシステムだったが、当時まったくの無名だったおぎやはぎは大阪会場で100票中9票しか入らないという伝説的な惨敗を喫する。