## 投資の失敗には3つの理由がある
(撮影=森口新太郎)

ーー久富さんご自身に投資の経験はありますか?

あります。証券会社に勤めていたOL時代の話ですが、自分が満たされてなくて「何かになりたい」と思っていた時期がありまして。自分という存在を確かめたかったんですよね。すごく漠然としていると思いますが、そんなあやふやな状態で、自分を確かめるために何かを始めようと思い立ちまして、投資信託に手を出したんです。

仕事柄、投資は身近なものでしたし、知識もそれなりにあると思っていましたね。でも目的はとくになく、ただ何かを始めたい、それだけでした。

結局途中で切り崩してしまい、失敗です。いくら知識があっても、目的がないので続かないんですよ。それが私の投資の失敗談です。

投資の失敗には法則があるんですよ。持論なんですけどね。
 

ーー「失敗の法則」ですか!?教えてください!

投資で成功するパターンは複数存在します。運だったり景気だったりさまざまな要因が絡みますので、成功パターンは意外と多いんですよ。

逆に失敗する原因は3つしかありません。目的・余裕・知識。この3つのいずれかが欠けていると失敗する可能性が高いでしょう。
 

ーー目的・余裕・知識ですか。もう少し具体的に教えていただけますか?

「目的」については持っている人と持っていない人の差が顕著で、目的のない投資で成功した人はほとんど見かけないと思います。ダイエットなんかでもそうですよね。漠然と「痩せたい」と思っているだけでは失敗しがちでしょう。「1カ月で痩せたい」「5キロ痩せたい」と具体的な目的を持っていれば、意欲もやり方も変わってきます。

「余裕」については経済的な余裕はもちろんですが、時間的余裕や心の余裕も必要です。短期の投資はそれなりのリスクがありますので、やはり失敗の少ない投資は長期的なものになるでしょう。そうすると時間的な余裕も経済的な余裕も必要です。ギリギリの状態で長期投資をしても、崩さないといけなくなるので意味がありません。

そして「知識」についての必要性は説明するまでもありませんよね。わけがわからないまま投資を始めてしまうと、色々な情報に振り回されてしまいがちです。振り回された挙句に失敗という人は少なくありません。最低限の知識・情報は必要でしょう。

アラサー女子が目的もなく焦ってしまう理由

(撮影=森口新太郎)
 
> ーー3つのうち、一番大切なものはどれですか? 「目的」ですね。やはり、目的がないとうまくいったか、うまくいかなかったかもそもそもわかりません。目標がないので「とりあえず儲けること」が目標になってしまうので、少しでも下がってしまったら「失敗」となってしまいます。リスクを取ることができなければ、成功することもできません。
 
> ーーそうすると久富さんが投資で失敗していた頃は「知識」があっても「目的」と「余裕」がなかった、ということですね。ただ、すごくよくわかります。何だろう、アラサーって特に目標もなく焦る時期がありますよね! 仕事もしたい、結婚もしたい、子どももほしい、お金も貯めたい、リアルも充実させたい。女の人って忙しいんですよね。忙しすぎて「自分って何なんだろう?」ってわからなくなってしまう。そこでお金を貯めなきゃ、結婚しなきゃって焦ってしまうのかもしれません。
「お金さえあれば残りの欲は満たされるかもしれない」と考える人も多いと思います。「とりあえず」で仕事に打ち込んでみたり投資をしてみたり。でも、気が付くと年齢だけ重ねていた……、なんて笑えないですね。